富を手にする「ただひとつ」の法則

本の帯に


1910年、初版刊
ジェームズ・アレン作品と並び称され、
「限られた成功者たち」の間だけで
約1世紀にわたり読み継がれてきた
「幻の名著」、ついに邦訳

と、書かれていて 「これは!」と思い即購入。

しかし、ちょっと最近バタバタしてて読むのが遅くなりました。
さすが、「幻の名著」

で、中身を見るまでは分かりませんでしたが、実は本田健さんが解説です。ツイてる!


しかも、その解説にいたる経緯にまたドラマが!
解説より引用


私のオフィスには、天井まで作り付けになっている本棚があり、世界中から取り寄せた「豊かさと成功に関する」本で埋め尽くされています。
そして、二年半ほど前に、たまたま本の打ち合わせでいらっしゃったフォレスト出版の編集の方が、「これはどんな内容の本ですか?」と手に取ったのが本書でした。
 その編集の方の、ぜひとも日本の読者に紹介したいという情熱が、この本の出版につながったのです。

なんとも、「幻の名著」らしい出版秘話ですね。

作者のウォレス D.ワトルズ氏について私は全然知らなかったのですが、amazon.co.jpでWallacw D. Wattlesで検索すると32件も出てきます。

本書の原書はThe Science of Getting Rich or Financial Success Through Creative Thoughtですね。

この本の初版は1910年で、100年も前ですから牧歌的な時代かと思いきや、今よりも資本家と工場労働者の富の分配の格差が激しかったようで、一億総中流時代と言われる現代よりもさらに富への欲求が強く感じられます。
(一億総中流はたとえがちょっと古いですし、最近は少し貧富の差が開いているようですが、ほとんどの人がテレビや携帯電話位は買えるでしょうから、中流ということでよろしく)

第一章の出だしからして


貧しさが清貧であるとして、どれほど賞賛されようとも、お金がなければ本当に申し分のない、順調な人生は送れないという事実に変わりはありません。また十分なお金がなければ、自分の才能やこころの可能性を最大限まで広げることはできません。

 なぜなら、こころをはぐくみ、才能を伸ばすためにはいろいろなものを利用する必要があり、それらを手に入れるためにはお金が必要だからです。
 
 人間はさまざまなものを利用して知力とこころとからだを成長させますが、社会は経済力がなければそれらのものを手に入れられないしくみになっています。ですから人間としてあらゆる成長をしていくためには、まず、豊かになる方法を知っていなければなりません。


 
いきなり、身もふたもないような出だしですが、著者のワトルズ氏も人生の大部分を貧困にあえいでいたそうですから、著者本人の心の叫びともいうべき鬼気迫る文章です。

150ページと比較的薄い本ですが、並び称されるジェームズアレンの「原因」と「結果」の法則と同様、ページ数は薄いが内容は濃い。深遠。

よって、印象に残ったところを少し書きます。

●豊かになるためには、まずは豊かになること
と、これだけ書くとパラドックスでなんだか分かりませんが

p88から


貧困を根絶するための第一歩
豊かになりたいと思うなら、貧困について詳しく知る必要はありません。
望ましくないことを考えたのでは、よい状況はもたらせません。病気について調べたり考えたりしていたのでは、健康になれません。罪について調べていたのでは、正義のこころは生まれません。
 それと、同じで貧困について調べたり考えたりしていたのでは、豊かにはなれないのです。

ということで、貧乏から脱したいからといって、貧乏の研究をしては危険!
危険が危ない!腹痛が痛い!

同様に、嫌な上司がいるからといって、嫌な上司の研究をして、
「今日の怒り方は、私の分類によればB-3のパターンだな」
と、解説をしても何の意味も無いということですね。


「そんな人いるかよ!」と、思うかもしれませんが、ここまで極端な例は少ないかもしれませんが、嫌いな人や事柄について詳しく説明できる人は結構いますね。
嫌いな人や事柄に能力や労力をそそぐよりも、自分の好きな人や事柄に詳しくなりたいですね。
特に一人でリラックスしている貴重な時間は、極力自分にとってポジティブなことを考えましょう。



1日1日が成功か失敗のどちらかです。
望んだものをもたらしてくれるのは成功の日々なのです。
毎日が失敗ならけっして豊かになれませんが、毎日が成功なら間違いなく豊かになれるのです。

これは言われてみれば至極当然。
小さいことでも、毎日が失敗の連続なら、失敗は積み重なるし、毎日が成功なら間違いなく成功できる。
「失敗は成功の元」とも言われ、次につながる失敗ならもちろんいいですが、凡ミスの失敗の連続なら、失敗する可能性は大でしょうね。

しかし、凡ミスから思わぬ発明が出るのが世の中の面白いところ。
ポストイットとかポテトチップスとかね。

ところで、あまり関係ありませんが、斎藤一人さんの「斎藤一人の百戦百勝」という書籍もあります。ツイてる!

文庫版もあってツイてる!
斎藤一人の百戦百勝 (商売編)
斎藤一人お金に愛されて百戦百勝―お金を増やす「日本一簡単な方法」


さらに関係ないけど、ユニクロの柳井社長は「一勝九敗」。ちょっと、ツイてない?!


最後


ひとつの成功がさらなる成功をまねく。
 なにかがうまくいくと、必ず別のこともうまくいくようになるものです。あなたが望んだものに近づくスピードも、どんどん速まっていくでしょう。

成功スパイラル!
100年前という、今とは比べ物にならない位に通信手段や交通手段が限られてた時代でさえ、こうなのですから、現代社会では、よりいっそう成功に近づくスピードも上がってることと思います。

「ひとつの成功がさらなる成功をまねく。」は、昔から似たような言葉で「ツキがツキを呼ぶ」「人が人を呼ぶ」「お金がお金を呼ぶ」などがありますね。

全体として、「他人と競争せずに、好きなことを、豊かな気持ちでやる」というメッセージが込められている本だと思いました。

「原因」と「結果」の法則と同様に何度も読み返したくなる本でした。

富を手にする「ただひとつ」の法則
富を手にする「ただひとつ」の法則 ウォレス・D・ワトルズ (著),


実は、本書の原書である『The Science of Getting Rich』は、
あの「本田健さん」の書棚から見つかりました。
本田さんの事務所には、天井まで作り付けになっている大きな書棚があり、
世界中から集められた「豊かさと成功に関する本」で埋めつくされているのです。

そして、本書の巻末には、本田健さんからのメッセージが「本書の内容を日常生活で実践する方法」として掲載されています。
その内容を一部ご紹介すると、本書中にある本田さんの心を捉えた大切な言葉として、

 ◎人間の最大の幸福は、愛する人に利益をもたらすこと

というものがあり、「幸せに豊かになる」という本田さんの考え方とまさに一致していることがわかります。
すなわち本書には、約100年の時を経ても変わることのない「不変の真理」が記されているのです。