偶然からモノを見つけ出す能力・偶然の幸運に出会う能力=セレンディピティを解説した本。
概してこのような本は、「ポジティブシンキング」や「ツイてる!」といった方向に走りやすい本が多いです。
しかし、この本は著者が東京理科大学大学院の教授ということもあってかそういう部分はあまり強調されていません。
事例として出てくる方も
・ノーベル賞の白川先生
・同じくノーベル賞でカミオカンデの小柴先生
・トヨタのカイゼン
・スリーエムのポストイット
・ニコンの露光装置
と、技術畑の方が多いですね。
ポストイットが最初は失敗作だったというのは有名な話ですが、
一見失敗と思える事でも、視点を変えると有効だったり、その事を周りにうまく説明できるような情熱。
小さな発見を見逃さない観察力やその発見を生かせる日々の鍛錬から生じる基礎的な下地
などなど。
偶然のひらめきを生むための色々な発想法も興味深い。
・異分野のプロを集めろ
・素人発想でプラス玄人実行が有効
という、方法論にも納得。
セレンディピティって、ポジティブシンキングや一期一会みたいな話でうさんくさいよね。
どうせ、ツイてる!って思い込めとかそんな話でしょ。
と、思ってる方にお勧めです。
非常に硬派な一冊でした。
あと、思いがけず「ポートフォリオ読書術」なるものも提唱してあってお得な気分。
毎月20ジャンル、20冊読めだそうです。
最初「20ジャンル×20冊で400冊かよ!」と、思いましたがそうではないみたい。
興味ある方は本文を確認してみてください。
参考文献が巻末に各章ごとにリストアップされてるのも便利。
また、素敵な出会いがありそうです。ツイてます!
成功者の絶対法則 セレンディピティ
宮永 博史
偶然の幸運に出会う能力=「セレンディピティ」を豊富な事例に基づいてわかりやすく解説。セレンディピティをモノにした成功者たちを紹介し、失敗が偶然チャンスに変わる法則を探る。
セレンディピティ物語―幸せを招ぶ三人の王子
エリザベス・ジャミスン ホッジス
セレンディピティの語源となったと言われる本です。
複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
マーク・ブキャナン
最新のネットワーク理論を解説。
厚い本ですが、難しい数式などは出てきません。
運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則
リチャード ワイズマン
運を科学的に解明するといえばこの本です。
「幸福な偶然」(セレンディピティ)をつかまえる
日野原 重明