情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント

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タイトルどおり
まさに情報のさばき方の本です。

著者は朝日新聞の編集局長
朝から晩までひっきりなしに情報が入り乱れて向かってくるので次から次にさばいていかないと、とても勤まらないでしょう。
そして、新聞ですから世の中のあらゆるジャンルの情報が入ってくるわけで、当然自分が知らない専門外の話題も多いわけです。

そんな著者の経験から生まれた一冊
著者は情報力の基本原則を五つにまとめています。

1、情報力の基本はインデックス情報である
2、次に重要な情報力の基本は自分の位置情報である
3、膨大な情報を管理するコツは、情報管理の方法をできるだけ簡単にすることである
4、情報は現場や現物にあたり、判断にあたっては常に現場におろして考える
5、情報発信者の意図やメディアのからくりを知り、偏り(バイアス)を取り除く

の5つに情報力が集約されるとしています。

新聞社の方の本だけあって、情報のつかみ方や情報の読み方はかなり参考になります。

一方、忙しすぎるのかあまりプライベートの情報管理の話はあまり出てきませんね。
読書日記のつけ方とか。年賀状の整理の方法とか。
ただ、一日一行日記は目からうろこですね。

8:00起床-10:00出社-11:00社内会議-13:00調査-18:00課内送別会-21:00帰宅

こうすると、1日1行、一ヶ月1ページ、1年が6枚で済むそうです。

そんなほのぼのとした話題とは少なく国家秘密情報の扱い方やCIAやBBCの話題が普通に出てきます。

後半の「情報の伝え方」は、会社の中の報告や文章の書き方としても参考になる部分が多いですね。
文章を普段書きなれてる記者の方でも、文章の設計図を作らずに文章を書ける方はまれなようで、つまりほとんどの人は設計図がなければ、まともな文章を書くことは出来ないという事ですね。

私には珍しくかなり付箋つけまくりの本で、途中で付箋付ける意味が無いような気がして、付箋付けるの止めました。


あと、学生から社会人になる時の引越しのときに、数千冊の本を積んだトラックが盗まれた話が衝撃だった。
ご本人は、それ以来本への執着が無くなったのでさっぱりした。とおっしゃってますが…
学生で数千冊も本を買うのは相当大変だっただろうと思い、なぜか私が暗くなった。

俺じゃなくて良かった!ツイてる! とも言えないし。

そうか!盗まれればさっぱりするのか!

といって、本を盗まれるのも嫌だし。

この部分は読まなきゃ良かったなと思いました。

それ以外は目からうろこが落ちまくりでした。
ここまで情報過多な人の話はなかなか聞けるものではないので。

情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント
情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント
インターネットの発達でケタ違いの情報が氾濫している今、現代人は「情報力」を鍛えることが欠かせない。情報を扱う場面を、「つかむ=収集」「よむ=分析・加工」「伝える=発信」の三つに切り分け、豊富な事例をもにそれぞれのポイントを解説し、対処法へのヒントを紹介する。

第1章 情報をつかむ(必要な情報を探すコツ
全体像の中の「自分」を知る
メモこそ命 ほか)
第2章 情報をよむ(分析に役立つ基本技
情報のプロの習性
だまされないための技術 ほか)
第3章 情報を伝える(誰に何を伝えるか
書くためのヒント
IT社会と情報)