「天才」という言葉を免罪符に使ってはいないだろうか?その陰で、天才と言われる人々の努力(行動量・作業量)を軽んじてはいないだろうか。
「あの人は天才だから」「あの人は才能があるから」など、本人の資質に関するものはもちろん「あの人は環境に恵まれてたから」「親が金持ちだから」本人の資質以外の要素も、よく引き合いに出されるところである。
しかし、そのことを免罪符にして、思考停止や行動停止に陥っていては、いわゆる天才と言われる人々の差は開く一方だ。
売れる商品、第一感などのベストセラーで知られるマルコムグラッドウェルの新作は、規格外の天才と言われる人々に焦点を当てている。しかし、そこで解き明かされる天才像は従来の「孤高の逸材」というようなイメージとはだいぶ違ったものだ。
「天の時」「地の利」「人の和」が絶妙に絡み合い生まれて出される成功者達。それは、一人の人間の才能と言うよりは、社会の養成・要請によって生み出されたモンスターのようでもある。
もちろん、彼らも自分自身で努力はしている。しかしその努力も本書の中で書かれる「1万時間の法則」を苦にしないだけの興味の持続や環境がある。ビルゲイツが、街頭で新聞売りをしなければならなかったしたら、どうだろうか。コンピューターの先駆者として活躍できただろうか。また、新聞売りとしては一流になれただろうか?
天才や達人の条件である1万時間をクリアするためには、幼少期や青年期の環境はとても重要と感じた。習い事や塾などの具体的でわかりやすい教育も大事だが、それよりも日常の空気感といったものも重要ではないかと思った。
たとえば、実家が日銭が入る商売をやっているのと、公務員のような家庭では金銭に関する感覚はだいぶ違ったものになることも多いであろう。
そのような、無意識に醸成されるようなものこそ、暗黙知となって体内に染みこんでいるのではないかと思った。
「あの人は天才だし、私は凡人」とか、そんな事を言うのは、やめようと思った。天才が1万時間なら、僕は2万時間だ。隣の人が6時に起きるなら、僕は5時起きだ。(ちょっと無理かな。弱気)
そして、2万時間の作業も、5時起きも苦にならないような事。を、見つけていきたいと思う。って、年でもないけどね。
子どもたちには、そういう事を見つけて欲しいし、僕も子どものそういう事を見いだして、バックアップしていければと思いました。
●公式特設ページ
講談社 BOOK倶楽部:天才! 成功する人々の法則
天才! 成功する人々の法則 (単行本)
マルコム・グラッドウェル (著), 勝間 和代 (翻訳)
・世界の一流スポーツ選手に共通する、ある「幸運」とは?
・ビートルズやゲイツ、ジョブズが生まれた本当の理由は?
・IQ190“全米一の天才”が大成できなかったのはなぜ?
・「ユダヤ人」「移民」「服飾業」が成功する弁護士の条件だった?
・頻発した大韓航空機事故。最大の原因は“文化の違い”?
・アジア人の「数学的才能」は水田から生まれた?
・NY・ブロンクスに生まれた“秀才学校”の正体?アメリカ人気No.1ビジネス書著者が挑む「新時代の成功論」
勝間和代さん激賞!「成功の方法・天才になる法則がつかめる本」!
プロローグ ロゼトの謎第一部 好機
第一章 マタイ効果
第二章 一万時間の法則
第三章 天才の問題点 その一
第四章 天才の問題点 その二
第五章 ジョー・フロムの三つの教訓第二部 「文化」という名の遺産
第六章 ケンタッキー州ハーラン
第七章 航空機事故の“民族的法則”
第八章 「水田」と「数学テスト」の関係
第九章 マリータの取引エピローグ ジャマイカの物語
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1) (文庫)
マルコム・グラッドウェル (著), 高橋 啓 (翻訳)
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳) (単行本)
M・グラッドウェル (著), 沢田 博 (翻訳), 阿部 尚美 (翻訳)
●原書
Outliers (ペーパーバック)
Malcolm Gladwell (著)