昨年9月に、八戸にLifehacking.jpの堀正岳さんをお招きして『小さな習慣を大きな成功へと導く、成果を出し続ける人の知的アウトプット術』というセミナーを行いました。
そのときの堀さんのお話の中で随所に出てきたのが、Chris Guillebeauさん、彼が主宰するWDS、彼の著書「The Art of Non-conforimity」です。
クリス・ギレボーは世界中を旅行し、さまざまな場所でボランティア活動をしながら、ネットビジネスで生計を立てています。また、同じ志を持つ人への情報の提供やコミュニティづくりも熱心です。
ネットでも一時期話題になったので、クリスギレボーは知らなくても「とびきり平凡に生きるための11の方法」は知っている人も多いかもしれませんね。
■とびきり平凡に生きるための11の方法
1,他人の言葉をそのまま聞き入れる
2,権威に疑いを持たない
3,何かを学びたいからではなく、「行くのが当然だから」という理由で大学に行く
4,一生に1度か2度だけ海外へ行く−近くて安全で無難な国へ
5,外国語を学ぼうとしない
6,起業したいと思っているが実際にはなにもしない
7,本を書きたいと思っているが、実際には何も書かない
8,住宅ローンをめいっぱい組んで、30年かけて払っていく
9,週に40時間机に向かうが、生産的な仕事は平均10時間ほどしかない
10、目立つこと、人の注目を集めることをしない
11,どんな命令にも素直に従い、誰にでもできる仕事をする
そんな彼の著書「The Art of Non-conforimity」には、興味津々だったので早速昨年iPadのKindleで購入して読んでみました。が、英語なのであまりよくわからない(笑
そして、このたび私が英語より得意とする日本語の翻訳版が出ました!嬉しいですね!ついてますね!(余談ですが、私はこの黙って待っていて1,000円〜3,000円程度払えば、日本語版が読めるというシステムにいつも感謝しています。)
日本語版のタイトルは『常識からはみ出す生き方』です。
「『常識からはみ出す生き方』を他人から学ぶのはいかがなものか?それは結局マニュアル指向なのではないか。」というご意見もあるかもしれませんが、何事も先達や第一人者の意見には謙虚に耳を傾けたいものです。
本書には、現在進行形の自分の体験を元に、従来の常識や権威というものを疑い、自分の能力を最大限に生かし、自分と社会の幸せを大きくする方法が書かれています。
世界各国をとびまわり、色々な文化を経験し、ボランティア活動にも熱心な彼ですからエピソードには事欠かなく、時おり自分にはとても耐えられないような旅の経験談も出てきます。
しかし、本書をよく読むと実は彼も私たちとは変わらない常識人です。
飛行機に乗るときはチケットを購入しますし、国連加盟国のすべてを旅行しようと決めたら、加盟国の名前と首都を覚えるべく勉強しますし、色々な国をまわるために語学の勉強も欠かしません。
それでは、私たちと何が違うのかと言えば、物事を多面的に見ることができる能力とほんの少しの行動力だと思います。
私たちは、日々の忙しさにかまけたりリスクを恐れて、思考停止になっている場面が少なくありません。外食だって、色々なお店から選んでいいはずなのに、結局いつもの店に入って、いつものメニューを選んでしまいます。外食で失敗するリスクなんてたかがしれているのにです。
人は小どもの頃には、好奇心が旺盛だし失敗も恐れず色々なことにチャレンジします。「私のようなものは2足歩行などはまだまだです。私の器でははいはいがちょうどいいレベルです。」などと無意味に謙遜することもありません。しかし、人は大人になるにつれて常識や権威といったものに盲目的に従うようになってしまいます。また、それは案外居心地がいいものです。世界中の国や首都を覚える必要もありませんし、新しい言語を覚える必要もありません。
また人には向き不向きもありますし、組織に属さなければできない職種もあると思います。しかし、他で花開く能力がありながらくすぶっているのは、本人にとっても社会にとっても残念なことです。
このような新しい生き方はなかなか周りには実在しませんし、手探りでやっては時間がかかるので、興味がある方はぜひ手にとって読んでいただければと思います。
最後に。人生や社会について真剣に考えるのは、自分や大切な人が病気になったとき、社会に大きな災害・変革が起こったときです。
本書でも米国の9.11の話題が出てきます。日本も東日本大震災は記憶に新しいですし、災害復旧・復興は現在進行形です。
そのような警鐘がなければ、自分の人生について考えないというのは、平和でいいといえばいいのですが、なんとも残念な事です。
私自身も、自分を成長させ社会にプラスになることを考えていきたいなとおもいました。
また、親としても子どもの好奇心や可能性を広げることをやっていきたいですね。
常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」
クリス・ギレボー (著), 中西 真雄美 (翻訳)
若きノマドワーカーが提言する、場所にも、時間にも、常識にも、とらわれない生き方とは? この本を読めば、これからの自由人のためのライフハックがすべてわかる。考え方を変えれば、可能性は無限だと実感できる。
「こんなものさ」と決めつける前に、自分には何ができるか、何がしたいか思い起こそう。「普通はこうだから」なんて無難な枠は、きれいさっぱり取り払おう。○会社に縛られず、ノマドとして働くやり方もある。
○組織に属していても、自由な心で生きることもできる。
○旅をし、世界のリアルを感じ、自分らしい奉仕活動もできる。こうした人が増えれば、すこしずつだが、世界は変わる。
地球のいたるところに、常識からはみ出す人を増やすこと。
自由に自分らしく、生きた証となるような仕事に情熱を燃やす人を増やすこと。
自分だけ満たすのではなく、社会とつながる人を増やすこと。
人に貢献することで、自分の人生を輝かせる人を増やすこと。
これが僕の「世界征服計画」だ――。
とらわれない生き方と働き方をしたいなら、この本を読もうと軽やかに提言する著者のメッセージで、あなたも変われる。
目次
第1部 すばらしい人生を送るために
第1章 夢遊病者のような人生 生きている実感がある人生
第2章 常識からはみ出して生きる
第3章 「不安の壁」をぶち破れ!
第4章 ルールを変え、慣習に立ち向かえ!第2部 仕事を再発見する
第5章 能力こそ、君の安全保障手段(セキュリティ)
第6章 大学院VS.ウェブの世界
第7章 小さな部隊のパワー
第8章 自由になるためのお金の話第3部 収束のパワー
第9章 「キッパリ拒絶」する習慣と富の追求
第10章 ノマドライフを選択する
第11章 君の生きた証(レガシー)を残す
エピローグ 危険をはらんだアイデア
あとがき 一番大事なこと
●一緒に読みたい本
「週4時間」だけ働く。
ティモシー・フェリス (著), 田中じゅん (翻訳)
減らす技術 The Power of LESS
レオ・バボータ (著)
ナンシー ルブリン (著), Nancy Lublin (著), 関 美和 (翻訳)