本を読む本

「読書の秋」という事で読書の本読んでました。

本を読む本
少し、ユーモラスなタイトルですが中身は本格的です。
原題はHow to Read a Book (A Touchstone Book)Mortimer Jerome Adler

初版が発行されたのは1940年です。


読書を
・初級読書(Elementary Reading)
ただ読む読書。字を読んで文章の意味を知る
・点検読書(Inspectional Reading)
拾い読み・下読み
・分析読書(Analytical Reading)
時間に制約がない場合の完璧な読書
・シントピカル読書(Syntopical Reading)
(同一主題について二冊以上の本を読むこと)
と段階別に、分類して読書の技術を指南する本。

著者は、大学卒業してもまともに読書できる人間は少ないと嘆く。

通り一遍の初級読書をしただけで、「あの本は読みましたよ」などという自分を猛省。
「初級読書は済ませました」というべきだろうか?

そんなことはない!教養書・専門書はそうかもしれないが、
文学書は楽しく読めばそれでいいではないか!

と、いう方には、第三部の「文学の読みかた」が面白いかも、こまごまと読み方が書いてます。

「理解したつもりになって、わかってもいないくせに面白いなどという人がいる」
「どこがどのように面白かったと説明できぬうちに面白いなどというのは早計である」
などと手厳しい。

その一方
・無防備にその世界にただただ身をゆだねる
・行きつ戻りつして、読むのは作者の意向を無視した読み方
 文学は一方通行で理解できるように作者は工夫してある。
 
と、実用的な知識も。

全般的に、「読書道」とでもいうべき厳しい態度ですが、良書です。
高校や大学に入学する前の春休みに課題図書として選定すべき!と思う本です。

というか、私が今読んだだけでもしかしたら常識なのかも?
理科系の学生なら理科系の作文技術を大抵の人が読んでるように、読んでるのが当然だからあまり話題に出ないだけか?!

ちなみに最近読んだ読書術 岩波現代文庫 加藤 周一 に、
「読んだ事ない本を読んだふりする方法」というのがあって面白かった。
こちらの本の感想などはまた後で。



本を読む本

知的かつ実際的な読書の技術を平易に解説
文章が構造的なのでマインドマップの練習にもいいかも


第1部 読書の意味(読書技術と積極性読書のレベル ほか)
第2部 分析読書(本を分類する本を透視する ほか)
第3部 文学の読みかた(小説、戯曲、詩の読みかた)
第4部 読書の最終目標(シントピカル読書 読書と精神の成長)