大人のための読書法 和田秀樹著

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タイトルは大人のための読書法とあるけど、読者対象は大人全般ではない。
効率的に情報を入手し、それを自分の知識として、ビジネスの場実利の場でアウトプットする人ための本。
だから、「おとなのための、わびさびのある読書」など期待してはいけない。

徹底して、目的のための手段としての読書術が説かれている。
なので、色々な面で潔い。痛快。

まずは、本の選び方。

「興味がある本を全部買う」 以上!

理論は非常にシンプル。
しかし、ただ興味がある本を買うわけではない。
「自分の目的が達成できそうだ」という意味で興味がある本を全部買う。
という、意味ですね。

だから、「興味がある本は全部買う」といっても、週刊誌の見出しみたいなタイトルに惹かれて、興味の赴くまま、欲望のままに買うのとはちょっと違う。

よって、多分数量的・金額的にも限度はあるはず。

そして目的の達成のためには恥も外聞もない。

著者の和田秀樹さんはあるとき必要に迫られて経済学について勉強する事になったそうです。
なにを読んだと思いますか?

灘高 → 東大医学部 → 東京大学付属病院精神神経科助手の和田秀樹先生ですから
サミュエルソンやマンキューを原書で… いやいや、もっとさかのぼってマルクス・ケインズ?
アダムスミスを勉強しないで経済学を語るのは片腹痛い。と考えたでしょうか?

なんと!和田秀樹先生がが経済学を勉強しようとして最初に読んだのは

高校生のための経済学入門ちくま新書

だそうです。 
なんとも謙虚なような、「目的のためには手段は選ばず!」的な潔さ。

この本を選んだ理由はシンプルで明快

「高校生のためのというからには、経済学のことがやさしく書いてあるに違いない」という期待があったからである。
結果はその通りであった。

大人になると、新しい分野のものを勉強する場合でも、名著・古典といったものを手に取りたくなりますが、そんなくだらん見栄は捨てた方がいいということですね。


そして、上記の本に限らず新書は情報源として有益と和田先生は書いてます。
・これまでにない新しい見方
・自分の考えの裏づけとなる使えるデータ
を入手する上で新書は最適とのことです。


そして読書で得た情報を自分のものとするための情報整理の場アウトプットの場としてインターネットが有益であると書いています。ブログでアウトプットするなどですね。
この場合インターネットの匿名性が有利に働くとしています。
失うものが少ない上に評価が得られやすく、フィードバックを得て試行錯誤しやすいですからね。

しかし、あまり趣味に走ったり没頭することは戒めています。
常に自分がその行為をする目的を見失うなという事ですね。

ところでこの本はタイトルが「おとなのための読書法」ですから

第一章 本を読む動機について
第二章 本は必要な部分だけ読めばよい
第三章 情報を自分のために生かす知恵
第四章 知的生活を送る大人のための読書

までで、終わってても良さそうですが、今回は大盤振る舞いで、まだ続きがあります。

第五章 本以外の情報源をどう活用するか
第六章 インターネットという情報の化け物を捌く

なんという、サービス精神の良さでしょう。
ツイてる!

「ツイてる!」といえば、このような有益なノウハウが760円で手に入れられることがツイてる!
先日、神田昌典さんの仕事のヒントを買ったときにも、「こんなに安く、経験に基づいたノウハウを教えていただけるのはありがたい」と思ったけれど、今回も目から鱗のノウハウが沢山でした。

その他の主な有益なノウハウ
・同じ著者の本は最新刊から読め。出版順や有名な順から読む必要はない。
・月間総合雑誌の執筆には力が入る場合が多い。
・有益な情報は最後は書籍の形でまとめられる
・100の情報に触れて1の知識を仕入れるより、10の情報で3の知識を仕入れる方が重要。
 (情報源は重要)
・完璧主義と合格点主義
・本を選ぶ時間のコストと本を購入するコスト
・第一章とあとがきだけを読めば大体分かる。(場合もある。)各章はそれの解説
・目的が達成できるのであれば、一冊を最初から最後まで読む必要はない。


大人のための読書法角川oneテーマ21 (B-75)
大人のための読書法角川oneテーマ21 (B-75) 和田秀樹著

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大人のための文章法角川oneテーマ21
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