弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術

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文句なしに面白いですねー。
本書は、タイトルそのままに「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」という内容

「言いたい事が言えない」「押しが弱い」という一見交渉ごとにおいては、ネガティブにとらえがちな事を逆に利用して交渉を有利に進めようという発想が面白い。

個人的なイメージとして、地域性としては関西九州方面の方が、押しも強く、言いたい事も言えるイメージ。逆に、私みたいな東北人は押しも弱く言いたい事も言わないので、割を食うイメージがあります。

ということで、これは私もがんばって勉強せねば。

まずは、交渉にが苦手な4つのタイプが紹介されています。
1,善人「うらなりタイプ」
2,対立を避ける「平和主義者タイプ」
3,人の言う事をすぐに信じる「子供タイプ」
4,感情的になってしまう「坊ちゃんタイプ」

確かに、人があまりにも良かったり、対立を避けようとしたり、相手の言う事を真に受けたり、感情的になるのは、どれも交渉を有利に進めるのは難しそうですね。程度問題でもあるでしょうが。


我が身を振り返れば、ストレングスファインダーで一番目に「慎重さ」の資質が来る私は少なくとも3の「人の言う事をすぐに信じるタイプ」では、なさそう。

【参考】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」 の ストレングス・ファインダーの結果:[俺100]

他の資質を一応列挙してみると「慎重さ」「指令性」「分析思考」「競争性」「目標指向」
これを踏まえると1の善人タイプでもなさそうだし、「競争性」という資質もあるので、平和主義者でもなさそう。

仕事中には、能面のように表情を変えない事が多いので、感情的にもあまりならないかな。
言葉を発するのもはばかられるような、重苦しい場にいるのが大好きだし。

これらを踏まえると、個人的にはメンタル面は比較的よさげですが、それを活かすテクニックがまだまだ不足してますね。

ということで、この本でじっくり学ばねば。


話し下手・気が弱い人の性格を活かした交渉のテクニック
・余計な事を言わない。自分から不利になる事を言わない
・力関係を冷静に分析・把握する
・アイデア・対案を出す

ここで、重要なのは力関係を冷静に分析する事でしょうか。
力関係が明らかなら、交渉も有利に進められるでしょうから、落ち着いて交渉に臨めますね。
力関係ですでに不利なのに、口べたな人が交渉で逆転しようとしても難しいでしょうからね。そこは冷静に分析・把握したい。
余裕を持った態度で臨めば、それは相手にも伝わるでしょうし。


交渉で難しいのは、その場その場で会話を作って行かなきゃ無い事かと思います。
テンプレートがないんですね。
でも、この本には、
「交渉で聞き出したい5つの情報」という大変便利な事が書いてありました。
それは
・相手のニーズ
・相手の強みと弱み
・相手の期限
・相手の限界値(価格)
・交渉が決裂したときの代替案
口べたな人が、これらをうまく全部引き出すのは難しいかもしれませんが、これを相手から引き出すように心がけると、少なくとも相手のペースに一方的に引きづり込まれる。ということは避けられると思います。
何事も、目的を持って望むと成果は出やすいですよね。


「防御を崩すキラーワード」「ポジティブ応酬話法」「ほめ殺しで自尊心をコントロール」「時間を味方につける魔術」など実践的なテクニックがずらり。

「相手を戦意喪失させる技」もあるけど、こんな事やられたら本当にいやになりますね。私も絶対戦意喪失します。しつこいセールスマンとかに自分も使ってみよう。

また、交渉とは少し違いますが、意外に皆さん苦労なさってるのが、「断る事」
端的に断れば、いいような気もしますが、そういうわけにも行かないという事が世の中多々あるわけで…

この本では、うまく断りつつ、さらにクロスカウンターで自分に有利な条件をのませる方法も紹介されています。恐ロシヤ。


最終章にケーススタディがありますが、
・代金の回収
・意に沿わぬ異動の撤回
・休日のゴルフを断る
と、どれもありがちな事ながら、後の人間関係などを考えるとむげな事もできないケースですが、本書の中で紹介されている実践的なテクニックで見事に交渉をまとめます。

気が弱かったり、口べただと、ハナから交渉ごとにおいて萎縮してしまいがちですが、このような本を読んで少しでも気持ちに余裕が出るといい結果につながりそうですね。

なお、どうでもいい事ですが、本書の帯には

「いつの間にか、
 勝っている!」

というコピーがあります。

漢字を組み合わせると、「勝間」になるのですが、なんらかのサブリミナル効果を狙っているのでしょうか?

このように他の人があまり知らない秘密を発見したり、事前に知っておくと交渉を有利に進める事ができるかもしれませんね。

日本実業出版社 『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』アマゾンキャンペーンページ


9月1日(月)から2日(火)の2日間、Amazon.co.jpで、谷原誠著『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』(日本実業出版社刊)をご購入くださったみなさまに、2つの特典コンテンツ(PDFファイル)をプレゼントいたします。

●特典コンテンツの主な内容
その1 交渉直前のあなたを勇気づける気弱交渉「最後の鉄則」
その2 「映画で学ぶ交渉術」


です。
詳しくはリンク先を確認してくださいね。


弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術
弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術
谷原 誠 (著)

●「押しが弱い」「口ベタで何も言えない」。
だからこそ、うまくいきます!

気弱だから交渉は苦手だと思いますか? 実はそうではありません。本書の著者である谷原誠氏は、小さい頃は気弱で相手に言い返すことができない少年でしたが、現在は、交渉のプロフェッショナルである弁護士として活躍。ハーバード流交渉術に、「気弱」だからわかるエッセンスを加えることで、交渉が驚くほどスムーズに運ぶようになりました。そんな著者だからこそ極められた、気弱だからこそうまくいく交渉術を紹介します。


●目次
序章 気弱なあなたのままで、交渉は突破できる
1章 あなたはどこで負けている? タイプ別負けパターン分析
2章 話ベタ・交渉ベタだからこそあげられる成果がある
3章 これなら勝てる! 気弱な人のための逆転交渉術
4章 「NO」と言えないあなたのための お断りの技術
5章 弁護士直伝 交渉シナリオの作り方
6章 その場で動揺しないために 当日までに備えたいこと
7章 実践! 3つのケースでわかる交渉テクニックの使い方
<ケーススタディ1> 代金の回収を命じられた横山さんのケース 「期限」を切って相手を動かす
<ケーススタディ2> 意に沿わぬ異動を命じられた小田さんのケース 脅しをかけるなら友好的に など
終りに 気弱なあなたが、最強だ

あと、巻末に
●気弱なあなたが交渉上手になるための本
が紹介されています。
どれも必読ですね。


ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)
ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)
ロジャー フィッシャー (著), ウィリアム ユーリー (翻訳), 金山 宣夫 (翻訳), 浅井 和子 (著)

520円と激安!

影響力の武器[第二版]
影響力の武器[第二版]
ロバート・B・チャルディーニ (著), 社会行動研究会 (翻訳)

たいていの人は読んでるので、読んでないとむしろマイナスか。

人を動かす 新装版
人を動かす 新装版デール カーネギー (著), Dale Carnegie (著), 山口 博 (著)
これも、言わずとしれた名著。
某有名コンサルタントと飲みに行って、カラオケの順番を飛ばされたときに、その方がボソリと「批判も非難もしない。苦情もいわない。」と言った事が印象に残っています。


新訂 孫子 (岩波文庫)
新訂 孫子 (岩波文庫)
「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」ですね。


シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
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人を動かす、心理的トリガーの研究において、セールスマンやマーケッターの方は生活がかかってますからね。

「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか―弁護士が教える論理的な話し方の技術
「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか―弁護士が教える論理的な話し方の技術谷原 誠 (著)