仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか 美崎栄一郎 著

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携帯電話やネットの発達によって、時間的な余裕は増えるどころか、逆になんだか秒刻みで追われるような事も多くなりました。空間的にも、ITの発展でペーパーレスになるかと思いきや逆にまだまだ増えてます。個人的には、本もどんどん増えているし。人間関係においても、ブログやSNSなどを通じて知人がたくさん増えて嬉しいですが、もともと内向的な僕にとってはキャパシティオーバー。


そんな中、『仕事には「あそび」が必要です。』という単なる主張であれば、「なるほど、ご説ごもっともです。私もそうありたいものですね」で、話が終わってしまいます。が、本書では単なる主張にとどまらず、その解決方法や著者が取ってきたアプローチが詳細に記載されています。

それも、ほとんどが、「頑張れ!」とか「根性です!」とか「愛情が大事です!」とかいう抽象的なものではなく、数値として定量的に示されているのが参考になります。

具体的には、

メルマガや一斉送信のメールをその都度読むことをやめる効果
1日6通程度でも一週間で30通。1回2分の時間をとられているとすると、60分にもなってしまいます。

メールを作成する際に、テンプレートや辞書登録を極限まで活用することにより単純な返信なら2秒

などなど。

メール返信をタイムアタックでゲーム感覚で楽しむメール返信マラソンにはなるほどという感じ。ゲーム感覚で楽しむことも大事ですが、逐次処理するより、まとめて処理した方が速いですからね。

また、時間の短縮効果を把握するためには、自分の現在の処理速度を知っておかなければいけませんが、そのための具体的な方法の記述もあります。この辺のことや記録関連は美崎さんの過去の手帳の参考になると思います。


個人的に耳が痛かったのは


仕事が形になったものは、入ってくる時間より、処理する時間が圧倒的に長くかかり、いったんは物理的な場所を占有してしまうものだからです。本を買うのは5分もあれば買えます。しかし、本を読むのには2時間かかるわけです。

です。本を購入するときには、読む時間があるかないかなど関係なしに買っちゃいますからね。積読が増えるわけです。


他にあそびって大切だなと思ったのは

計算をするのであれば、エクセルでもできるけれども、簡単な計算なら電卓の方が速い。暗算ができる人であれば、アタマの中の方がより速いこともある。こんなふうに、ボトルネックになっているポイントを把握して、その工程を違う工程に変えることを意識してみるのです。

忙しくて余裕がない時には、もう思考停止になって機械的に何でも処理してしまいがちなので、いつでも適材適所で対応したいものです。


大切なことというのは、あらゆる場面で応用が効くから大切なのだと思いますが、本書の「あそびが大事」という主張も仕事の時間・空間・人間関係のみならず、仕事でさえあそびが重要なんだから、プライベートではカリカリせずに余裕を持って人生を楽しみたいですね。

さて、本書は書籍の製作段階でも色々新しい取り組みがありました。
その一つが、本の製作工程をオープンにして、Ustream中継しました。その中継を見た人もtwitterで意見や質問などを書きこむ事ができました。

僕も、一度企画会議に参加させていただきました。ありがとうございます。

その中で、あらためて思ったのは本を一冊作るときには、ものすごく多くの人が関わっているということ。今度から書籍を購入して読むときには、今まで以上に感謝の気持ちを込めて読むことができそうです。嬉しいな♪

本書には、書籍の中の随所にも色々な「あそび」が仕掛けられています。それを発見するのも楽しいですよね。僕も、全部探せたかは自信が無いですが、表紙の裏の女子勉の勉子さんの4コマ漫画はなかなかわからなかったですねー。(勉子さんも処女作が発売になりますね。おめでとうございます!)

あ、あと青森県八戸市で9月25日に美崎栄一郎さんのセミナーがあります(9月26日には盛岡市)。お近くの方は、よろしければ来てくださいねー。
【詳細・申し込み方法など】第3回 南部実践的すぎる寺子屋 『成果を生む人のあそびのあるセルフブランディング』9/25八戸、9/26盛岡で開催します。:[俺100]

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仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか 美崎栄一郎 著


仕事ができる人の共通点は......、
ズバリ「あそび」を大事にしているということ。
「あそび」といっても、娯楽としての遊びではなく、
車のハンドルの「あそび」的なイメージのもの。
「あそび」があるから、(1)時間、(2)空間、(3)人間関係に余裕ができて、
いざというときのチャンスをつかむことができるのです。

(1)時間の「あそび」は、スケジュールの「余裕(バッファー)」。
週1回(=仕事時間の20%)、木曜日は何も予定を入れない日にして、
急な仕事や臨時の仕事に対応するのです。
この20%を確保するためには、業務プロセスを見直し、
時間配分を「見える化」する必要が出てきます。
どうすれば時間を圧縮し、効率的な仕事ができるのか。
その具体的なノウハウを教えます。

(2)空間の「あそび」は、ワークスペースの「余白」と施設の「裏側」。
ワークスペースにも20%の「あそび」を設けることで、
頭の中まで整理することができるようになります。
また、会社のトイレや階段といった施設の「裏側」には、
実はその企業の本質が隠されているもの。
仕事で役立つヒントもたくさん転がっているのです。

(3)人間関係の「あそび」。これは互いの「距離感」に尽きます。
よい仕事をする上で、もっとも大事なのは人と人との関係。
ほどよい距離感を保ち、仕事で成果を上げていくための方法を、
対面、デジタルの両面から説いていきます。

そして最後に、なぜ「スーパーサラリーマン」の著者が、
こうした「あそび」を意識するようになったのか。
その意外な真実が明らかにされます。
働く人であれば、誰もがはっと気づかされる人生の「あそび」です。