生き馬の目を抜く、外資系企業で50年!近くも働いてきた著者のリーダー哲学。
シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどの、グローバルエクセレントカンパニーの社長職、副社長職などを歴任してきた著者。
外資系企業のトップというと、ひたすら数字数字で、数字させ出してればいいのかと思いきや、そんな事はないようで、数字だけあげても、仕事の半分しかしていない。売り上げあげても、半分とは厳しい。
じゃあ、後の半分はというと、人づくり、後継者の育成ですね。
著者がいたような大会社では人材というのは豊富でさらに社内の激烈な競争の中で、黙っていても勝手に育つ、と、思いきや、やはり人はリーダ次第で大きく変わるようです。
序盤読んでるときは、意外に浪花節的で、外資系も日本企業も同じ人間だから、そんなに変わらないもんだなと思いましたが、読み進めるとやはり色々違う。
例えば
・部下には畏怖の念を持たせろ
・プライベートは見せるな
・機嫌なんて読まれるようじゃだめ。
・上司に人気などいらない
と、暖かみのある人が多い(感じがする、マスコミ向けの外面だけかも)日本の企業のトップとはひと味違いますね。
あと、この本の特徴として、数字の使い方がうまい。
「○○の7箇条」みたいな感じで。
はてブのホットエントリーにありそうな感じ。
たとえば、こんな項目があります。
・ダメな人の7つの特徴
・疲労感、疲弊感、閉塞感の「3H」
・社員の満足度を高める三条件
・部下の四つの分類
・ダメな会社の3K 紙、会議、コミッティ
・中途採用者を見分ける四つの質問
・リーダーに必要な3つのスキル
・優れたリーダーの3K
・コミュニケーション十箇条
例として、「ダメな人の7つの特徴」を引用してみると
1,自分がダメだと思ってる人
2,すぐにあきらめる人
3,友を持たない人
4,師(メンター)を持たない人
5,目標を持たない人
6,快適ゾーンに閉じこもっている人
7,学ばない人
まあ、確かに、「こりゃダメだ」という感じ。しかし、私も思い当たる節がある項目もチラホラ。
でも、少し位ダメなところがあったっていいじゃないか。人間だもの。
それと、以前、元マイクロソフトの日本法人の社長の成毛さんの本を読んだときに、「欧米のビジネスマンのトップクラスの人には古典の芸術や文学などの教養がある人が多く、それらの教養が無い人間は徹底的にバカにされる」というような記述を読みました。
【参考】本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである!:[俺100]
「はて、そんなもんなのか?!」と、思いましたが、本書にもそんな記述が
p56より引用
欧米の本物の経営者たちが、哲学、文学、音楽、美術、などの分野にも詳しいのは、大きな意味がある。一見仕事に全く関係がないと思えるような古典文学や哲学書、歴史書も実は人間力を磨く上では重要な肥やしになるからだ。一見、ビジネスとは全く関係がないと思える人脈もまたしかり、である。「有用の学」に対する「無用の学」ともいえる
この「無用の学」という言葉は本書の中に何度も出てきて強調されています。
「欧米か!」なんて頭をたたきつつ、「ルネッサーンス!」と言って乾杯してるようではいただけませんね。自戒を込めて。
最近のビジネス書の読書術関係の本でも、年配の方は古典の重要性を言ってますね。小宮さんとか三輪 さんとか。
まあ、しかし、チームをまとめたり、人材を育成するというのは本当に大変なことですね。
難易度が高い分、達成感も大きいでしょう。そして、結局は自分も楽になるわけだし。
そして、面白いのが一番最後の項目が
・「運は自分のところに運んでくることができる」
という項目なこと。
これだけ、色々書いていて、最後の最後が「運」とは。
私は、「運」には自信があるので、ほっとしました。
本書は、まだ若いこれからのリーダー、すでにリーダーとして活躍している人に向けて、リーダーシップのエッセンスを1冊にまとめたものである。 著者の新将命氏は、かつてコカ・コーラ社のブランドマネジャー、ジョンソン・エンド・ジョンソン等の社長を歴任した「伝説の外資系トップ」として知られる人物。現在は経営やリーダーシップを後進に伝える伝道師として活躍しており、同氏をメンターとして慕う現役経営者も少なくない。部下にとって、会社生活の幸せの80%以上はリーダーたる上司で決まる。リーダーとはそれほどまでに重要な存在なのだが、優れたリーダーになるうえで必要なトレーニングを適切に行っている企業は、あまり見当たらないのが実情だ。
「優れたリーダーになるために今から何をすればいいのか?」「どのようなタイプの部下にはどのように接すればいいのか?」「どうやってマネジメント能力を磨くのか?」といった疑問が、きっと本書で解けるはずだ。
●「教養のない奴はバカだ!つきあわなくていい。サルだから!」とでも言わんばかりの本
本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術
●「古典重要!」の言及がある書籍
ビジネスマンのための「読書力」養成講座 (ディスカヴァー携書)小宮 一慶 (著)
本書が39冊目の著書となる著者は、高校1年のときまで、まったくの読書音痴だったという。ふとしたきっかけで、本が「読める」ようになった著者は、以後、経済学、会計等、多くのことを読書による「独学」でものにしていく。本書は、そんな著者が初めて公開する、論理的思考力を上げ、本質を理解するための読書の技術であると同時に、社会人のための、本による「勉強」の技術でもある。読書「量」とそれを可能にする速読のみがもてはやされる昨今、要するに、そこから何を得るのか?という「目的」にそった「質」にフォーカスした、ありそうでなかった読書法の本。
人間力を高める読書案内
三輪 裕範 (著)
現役商社マンとして働きながら、ハーバード・ビジネス・スクールに留学してMBAを取得、多くの著書も持つ著者が、自身にとって真に役立った自己啓発書を紹介する。日々の生活や仕事、あるいは人間関係上の諸問題に対処していく際に役立つ現実的な処世術から、二度とないこの限られた人生をどのように生きていったらよいかについて哲学的な思索を行った人生論まで、本書を読めばエッセンスがわかる、生き方が変わる!必読の自己啓発書34冊