本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである!

元マイクロソフト日本法人の社長で現インスパイアの成毛眞氏の読書術。
成毛氏といえば、私には元マイクロソフトの社長というよりも、下記の読書の話の方が印象に残っています。

給料の7・2・1法則:[俺100]

当時、年収が330万~340万円でしたが、給料の7割が本代、あとの2割がパソコン関係、最後1割が生活費。小さな書店を開けるほど、家には本がうなっていました。

社の拡大とともに給料も上がっていきましたが、給料の7・2・1法則は変わりませんでした。その後、35歳でマイクロソフト日本法人の社長になり、44歳でコンサルティングと投資顧問を行う今の会社を立ち上げました。最初と比べると年収は10倍以上増えましたが、今でも年間1000万円強が本代。うちは図書館ではありませんから、これが限界です(笑)。


その、成毛氏の読書術の本ですが、とにかく過激です。もう、無茶苦茶と言って良い
無茶苦茶ですが、歯切れの良い言葉にうなづく部分も多いです。
酔っ払ったカミナリ親父の説教を聞いている感じでしょうか。
同意できる部分も多いけど、口が悪いのでついムッとしてしまう感じ。


「はじめに」からして手厳しい

本棚を見れば、その人のほとんどがわかるのである。
 たとえば、「趣味は読書。最近読んだ本はハリポタ、セカチュー」という人は、救いようのない低俗な人たちである。

まあ、ハリポタ、セカチューばかり読むようなひとは、この本は多分読まないからいいでしょう。

しかし、その直後に

また、ビジネスハウツー書ばかり読む人も、私から見れば信じられない人種である。
まず、「金持ち父さん、貧乏父さん」系の本を読んでいる人、こうすれば儲かるという投資本や、年収1,500万円を稼げるといった本を読んでいる人は、間違いなく庶民のままで終わるであろう。できる社員系の本を読んでいる人も同じである。

あらら…
なんだか矛先がこちらにも向かってきたような…
でも、めげずに頑張るぞ!

ちなみにタイトルの「本は10冊同時に読め!」は文字通り本を10冊並べて読むわけではなく、1日の中で平行して10冊くらい読みなさいという話です。
さすがの成毛さんも、机に10冊同時に並べて、同時にページをめくって読むようなことはしないみたいです。ちよっと安心しました。


しかし、この本の中での成毛さんの多読礼賛ぶりは凄い、
・一流の経営者は、みんな凄い本の量を読んでいる

本を読んでない人間の話題は、スポーツの話、テレビの話、飲み屋の話、女の話、金儲けの話が中心である。ユーモアがわからず、ダジャレをいえば良いと思っているような低俗な輩である。

・女王アリの読む本、働き蜂の読む本

欧米のエリートと話していると、シェークスピアの話は普通に出てくるし、それらの本を読んでいるという前提で会話が成り立っている。もしそれらの本を読んでいなかったり、話についていけなかったりすれば、異性人でも見るような目で見られるのではないだろうか。エリートの世界とは、そういうものである。

・本を読まない人間はサルである

本をよく読む人というのは、地位や収入に関わらずに、どこか品性や含蓄のある話をするので一緒にいても面白い。
人間の品格や賢さに地位や年収は関係ないのだと、つくづく思う。話せばすぐにわかるが人は中身までごまかせないのだ。
どんなに偉い人でも、本を読まない人間を尊敬する必要はない。人に良く似た生き物、サルに近いんじゃないかと思えばいいだろう

・本嫌いの人とつきあう必要はない

本を読む人かどうかで、付き合う人を選ぶのは、会話の質が違うからだ。本を読んでない人たちとの会話とは、上司のグチ、会社の接待への不満、女房へのグチ、しょうもない自慢話など、生産性の無い話ばかりだ。
知識ゼロの人間が何人あつまっても、ゼロ。2倍や3倍になることなないのである。

キリがないので、この辺でやめておきますが、「本なんか読んでも~」と思ってる人は卒倒してしまいそうな言葉が並んでいます。

そして、「俺は月に数冊は話題の本を読んでいるから大丈夫」と思ってると、それが一番危ない。

月に数冊ベストセラーを読む、というパターンが一番タチが悪い。みんなが読んでいる本を追いかけるようにして読んで、それをさも自分が考えた事のように錯覚しているような人は、一生「庶民」からは抜け出せない。

「たけしのTVタックル」とか見て、政治をわかったように語る人みたいなもんですかね。


「並列読書法」の他にも
・1を読んで10を知る本の選び方
・私が参考にしてる本の選び方
・私はこんな本を読んできた
など、ためになる項目が目白押しです。

しかし、この本を読んでいたく刺激を受けて、「俺もたくさん読むぞ!」と、心を新たにしたものの、読み終わってから、裏表紙の方の帯に

他人のノウハウを真似していては、一生「庶民」のままである。

と、書いてある事に気が付く。orz

この本の根底に流れるのは「平凡な事をしていては、平凡なままである」ということだと思います。
「これは徹底してやっている!」という事があれば、別に読書じゃなくても良いと、個人的には感じました。

しかし、その「徹底してやっている!」という事を他人と比較するためにも、読書なりなんなりの周りの情報は必要と思います。
情報を、「他人と同じくらいはやっているな」と、安心するために使うのではなく、「この分野では卓越してるな」と確認するために使うくらいになりたいものです。


ちなみに、「1日10冊なんて絶対無理だー」と思うかたのための、時間やお金の解決法のヒントも載っています。
そして、この本は嬉しい事に文庫書下ろしで560円(税込み)。

厳しい事を言う人だけど、読書家の懐には優しい方ですね。

しかし、逆に値段が安いのに、もし買わなかったら「たった560円の出費を惜しむのは、所詮その程度の人間ということである」とか言って怒られそうで怖いです。

読んで良かった!
と言って、特に著者の成毛氏に直接お会いする予定も無いのですが…

ただ、
「勝間流・読書投資法7か条」効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法より:[俺100]にも書いてあるとおり

■読書投資法(1) 本は著者との対話。対話しているつもりで読む

ですからね。

それくらい、感情移入して読んでもいいでしょう。

そして、実際感情移入するほど言葉に迫力があり、一気に読んでしまいました。楽しかったです。ツイてます!


本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである! (知的生きかた文庫 な 36-1)
本は10冊同時に読め!―生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである! (知的生きかた文庫 な 36-1)成毛 眞 (著)
本は最後まで読む必要はない、仕事とは直接関係のない本を読め、読書メモはとるな
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