自己信頼 自分の考えを「徹底的」に信じて生きているか?

米国の自己啓発書(『7つの習慣』とか『人を動かす』とかね)を、読んでるとなんの前段もなく「エマーソンによれば~」なんて言葉が出てきますが、そのエマーソンの本。

内容は、タイトル通り「自己信頼」に関するものですが、160年前の本とはいえ、今と人間の悩みや行動はそんなに変わりがないものだなと。


たとえばp72から引用


 現代の若者は最初の計画が失敗に終わると、すっかり気落ちしてしまう。
 若い商人が失敗をおかすと、周囲の人間は彼の人生が終わったかのようにいう。
 たぐいまれな頭脳の持ち主でさえ、大学卒業から一年以内にボストンかニューヨーク、あるいはその周辺の企業に就職しなければ、友人も本人も彼が落胆するのは当然で、残りの人生を文句を言いながら過ごしたとしても無理はないと考える。

この辺の記述は、今の風潮と変わりがないですね。
しかも、チャレンジ精神に寛容な米国でさえこうですから、日本においてはますますその風潮は強いのではないでしょうか。

また、近年ブログ・メルマガ・SNSなどのITツールなどの発展により自分の意見というものを、発露しやすい状況になっています。
しかし、せっかくのそれらツールも付和雷同型の差し障りのない意見を言うためにつかうのは実にもったいない。

この本の冒頭でもエマーソンは言っています。p7より引用

心の中で確信している事があるなら、声に出して語るがよい。そうすればそれは普遍的な意味を持つようになるだろう

(自分の考えを主張せよと言いつつ、エマーソンの本を引用するのもナニですが、これはしょうがない。許してくれ。)

「確信している事を声に出して言うと、それは普遍的な意味を持つ」
これは、考えようによっては怖い。

「おれはツイてないんだーーーー!」と、確信している人が声に出して言うと恐ろしい事になりそうですね。

逆に、「俺はツイてる!」と声に出して言うといい事があるかもしれません。

ねたみは無知であり、人まねは自殺行為であること、良かれ悪しかれ自己は受け入れなければならない事、世界は広く、善きものであふれているが、自分に与えられた土地を耕さないかぎり、身を養ってくれる一粒のトウモロコシでさえ、自分のものにはならないこと ー 教育を受けているうちに私たちはこうした事を悟っていく

自分を信じると言っても、信じるに値するなにかがなくては、信じる事ができません。あなた自身の「自分に与えられた土地」と「耕す事」に相当するものはなんでしょうか。

「信じられる自分」を作るためにも、日頃から自己研鑽に励みたいものです。

昨今の派手なタイトルや装丁と比較すると、地味系で渋いお茶みたいな本ですが、すでに大御所の方々も記事を書いています。
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「自分を信じろ、好きを貫け」と160年前に言った人
自己信頼[新訳] - 情報考学 Passion For The Future
『自己信頼[新訳]』ラルフ・ウォルドー・エマソン・著│「ビジネス・ブック・マラソン」バックナンバーズ

色々な人が書いてから、後出しじゃんけんみたいに書く。まあ、それも処世術。一種の自己信頼。
生き続けてこそ、自分を信頼できるのだ。


自己信頼[新訳]
自己信頼[新訳]
ラルフ・ウォルドー・エマソン (著), 伊東奈美子 (翻訳)

【160年以上読み継がれる「自己啓発の祖」の世界的名著!】
●19世紀を代表する思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンの代表作が
待望の新訳で登場!!

●「真理は自分の内にあり、
付和雷同せず、常に自己をよりどころとして生きよ」
というエマソンの主張が凝縮された文章は、
ごく短いながら、古今東西の偉人たちに多大な影響を与えてきた。
著名な自己啓発書や成功哲学書でも、たびたび引用されている。

●自己信頼の「自己」とは、ただ好き放題に生きるエゴとは違う。
エマソンは、
謙虚な心で自分が本当に望むことをするなら、
人間はもっと自由に幸福になれる──という。

●ときにラジカルに、心のほとばしるままに綴られた言葉は、
時代を問わず、読む者の心を熱くする。
その主張は、古いどころか、
混迷を極める現代にこそ読まれるべき価値がある、
と思わずにはいられない「人生成功の極意」に満ちている。


●たまには、編集後記
「自分を信じる」とか「自分の信念貫き通す」と言えば、私は日本の80年代パンクを思い出します。
今日は、これらを聞きながら、本読んだり、記事書いたりしました。




そういえば、「どれくらいの速さで本読みますか?」とか「1日何冊本読みますか?」とか聞かれる事は多々ありますが、「どういう環境で読んでますか?」「どういう姿勢・体勢で読んでますか?」「どういう音楽聞きながら読んでますか?」と聞かれる事はあまりない。
他人の本の量よりも、そっちの方が重要というか、取り入れやすいと思うのですが…