市場が沸騰とは、一時期のドバイの様な表現ですが、新書ブームもそうならない様に願いたいものです。
本屋を歩けば嫌でも目につく新書の山。点数は膨大で、内容もルポものや歴史本、経済本からタレント本まで、フィクション以外なら何でもあり、の状態だ。どれを読めばいいか迷う読者向けに「最強の新書はこれだ!」を売り文句にしたガイド本まで登場した。「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」とも言われるブームだが、出版不況の象徴という厳しい見方もある。
ブームなのか、出版不況の象徴なのかは、発行点数じゃなくて、新書トータルの実売部数や売上金額の経年変化を調べればわかりそうなものですが、結構そういうの調べるのは難しいのかな。
■新規参入 書店棚ぎっしり「いま最も読むべき46冊が決定」と銘打った『新書大賞2009』が10日、「中央公論」別冊として発売された。「新書に造詣(ぞうけい)の深い書店員と新書編集部計60人」による投票を実施。1500点以上の中から『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果、岩波新書)が大賞に選ばれた。
中央公論の別冊は、これですね。
新書大賞〈2009〉
書店の現場も大変だ。大手書店のジュンク堂書店池袋本店の北山志歩さんは「新書コーナーで扱う主なレーベルは約50。毎月入荷する新刊は約150点で、新旧交えた毎日の補充点数は段ボール8箱分」というからすさまじい。当然、棚は飽和状態で「1点あたり3冊並べていた常備本を1冊に減らす」などして場所を確保している。
こういう状況だと、そうとう暇な人じゃないとじっくり本なんか選んでられなくて、適当にランキングから選ぶとか平積みから選ぶという事になりそうですね。
段ボール8箱分も入れ替えするなんて、発狂しそうだ。それも毎日。
あと、こうやって発行点数がどんどん増えても、リアル書店の棚というのは限られているわけで、売れない本は棚にも置かれなかったりとか、おかれてもすぐに消えたりとかになりますよね。
そして、行っても、欲しい本があるかどうかわからなかったり、探せない場合があると思う人は、ネット書店に流れそうですね。
ただ、現在のブームには厳しい見方もある。東京・神奈川で書店を展開する「有隣堂」の松信裕社長は「新書や文庫が売れる時代はその分ハードカバーの単行本が売れない。商品単価が安くなるので、出版社も書店もトータルでは売り上げが下がる懸念がある」と心配する。
なるほど。消費者の立場からすれば単純に、「安価な選択肢が増えた!」と喜んでもいられない状況のようです。
でも、今の時代ハードカバーの本をじっくりと読む人を増やすというのも、なんだか難しそうだなー。
昔と比べると、娯楽も増えたし、仕事も単純じゃなくなったし。なんだか、疲れてるし。
まあ、しかし、どんな業界でも時代の流れというものはありますからね。
あと
ディスカヴァー社長室blog: 新書の歴史に「携書」が刻まれた日!? ●大竹にも
本日3/12付の朝日新聞朝刊27面文化面にて、「新書ブーム市場沸騰」という記事が掲載され、「主な新書の創刊の流れ」という図表の中に、「ディスカヴァー携書」も掲載されました!記事内での言及はありませんが、創刊から2年、紆余曲折を経て(!?)シリーズが認知されたということでしょうか!?
と、あるように
asahi.com(朝日新聞社):「何でもあり」の新書ブーム、市場沸騰 書店棚ぎっしり - 出版ニュース - BOOKには、「主な新書の創刊の流れ」の図表があります。
24レーベル掲載されていますが、そのうちの半分近くが2005年以降の創刊です。
新しい力が増えてますね。
これから新書ブームが百年続きますように!
干場弓子
ディスカヴァー携書は、読者の方には申し訳ないけど、1000円とさせていただいております。かなりの意味を持って、確信犯的に…。