「読書とは交霊術だ」 あらゆる本が面白く読める方法―万能の読書術

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共感と嫉妬が入り交じったような読後感。

著者の一条真也先生の書斎の一部

一条真也オフィシャルサイト書斎から転載させていただきました。)
こういう書斎をお持ちで

p114より引用

とにかく、わたしは本が大好きです。本を手に取るとウットリします。書店や古書店はこの世の楽園です。書斎は我が魂のシェルターです。だから、大好きな本を義務などで読みたくないのです。いつでも、ワクワクしながら読みたいのです。そのために、少し読む冊数を減らして、ゆっくりと読書を味わいたいのです。


こういう書棚と読書観をお持ちの著者の方が書いた読書論ですから、もしかしたら好き嫌いはわかられるのかもしれませんが、僕はかなり「そうだ!そうだ!」と共感できました。その一方、その徹底ぶりに嫉妬のような感覚も持ちました。


タイトルの『あらゆる本が面白く読める方法―万能の読書術 』に関して言えば、看板に偽り無しで著者は、あらゆる本をおもしろがっています。昨今の、大げさな効用を競うような読書論の書籍に苦言を呈する一方で、その中からでもいいものは取り入れようという柔軟な姿勢も見て取れます。

難しい本には、難しいキーワードが出るたびに「キターーー!出た出た!そろそろ、出ると思っていたよ!」という感じで面白がっています。なんだか、楽しそうです。

楽しそうな部分もありますが、大半は著者の読書に対する態度に圧倒されます。以下、印象に残った部分を引用

著者は生きている人だけとは限りません。古典の著者は基本的に亡くなっています。つまり死者ですね。 死者が書いた本を読むという行為は、じつは死者と会話しているのと同じ事です。

私は、よく「読書とは交霊術だ」というのですが、きわめてスピリチュアルな行為が読書なのです。



わざと、傷物にして、市場では売れなくしてしまう、もう、この本は自分がずっと持っているしかない。あとは捨てるしかない。そこには、覚悟が生まれるわけです。

その本と人生をともにしてゆくと覚悟を持つことによって、本への深い愛情が生まれます。


ちなみに、私がこれまで全編を筆録した本といえば「論語」「留魂録」などです。


オカルトの世界では、サイコメトリーという超能力が存在するといわれています。これは、衣服でも宝石でも何でも良いのですが、何かのモノに指で触れたとき、そのモノの以前の持ち主の記憶を読み取るという超能力です。コリン・ウィルソンの著書などによく登場しますが、読書においてもそれに近い不思議な現象があるのではないかと思います。


こうしたことは「読書の場」の演出方法の一つなのです。つまり、読書の場を異空間として演出することで、読書する気分を盛り上げるのです。

高校の3年間で神保町に1000万円ぐらいは落としたのではないでしょうか。

他にも、安岡正篤さんが、真剣を振り下ろして気合いを入れてから読書した話や著者も読書に疲れたら気分転換に庭で竹刀を振り下ろす話など。
僕も、読書するときに、気合いを入れ直すことがあるけど、さすがに竹刀は振り下ろさない。せいぜい、たばこ吸うとかガムを噛む、コーヒーを飲むなど。全然気合いが感じられませんね。


気合いといえば、著者が本にアンダーラインを赤ペンで引いた写真が載っていますが、そのアンダーラインの平行線が見事です。気合いです。ここまで、平行に引く人はなかなか見たことがない。書籍に、きちんとした平行線を引くのは結構難しいと思いますが、達人ですね。
この平行線だけで「むむっ、こやつできるな!」と思ってしまいそうです。


面白がったり、真剣勝負だったり、遅く読んだり、早く読んだり、メリハリをつけて、自分ももっともっと精進せねば!と、心を新たにして、がんばりたくなる本でした。

これで、1260円だから本は、やはり費用対効果が高い自己投資という事も再認識。
1260円で、なかなかこういうお話は聞けない。

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あらゆる本が面白く読める方法―万能の読書術 (単行本)一条 真也 (著)

速く読むとトクする人、速く読んではいけない人。経営者、作家、客員教授...一人三役を可能にする驚くべき読み方!本邦初公開。

・読んでも頭に入ってこない
・内容を忘れてしまうから、身につかない

・読書がなんの役に立つかがわからない
こうした悩みの原因は、「読書に向いていないから」でも、「頭が悪いから」でもありません。原因は単にきちんとした方法論を身につけていないことにあります。
本書では、「あら
ゆる本が面白く読める方法」を著者の実例にもとづいて完全公開します!


【本書の凄味!】
[その1]冠婚葬祭業大手(株)サンレーの社長でありながら、大学の客員教授であり、作家であるという一人三役を可能にする、驚くべき"本の読み方"がわかる!
[その2]評論家ではなく、実
務家として、年間700冊以上の本を読み、読書を経営に活かしている手法がわかる!
[その3]自宅にはもはや図書館とも呼んでもいい蔵書(その一端は、本書88-89
ページ参照)を抱え、日夜徹底して本を読みまくっている著者の本への愛情がわかる!

●目次


プロローグ
  本の読み方がわからない!
  書店を賑わせる噂の読書法たち
  その本を読んで、年収増えましたか?
  本は最強の経営コンサルタント
  人間を幸福にするメディア

第1部 技術篇
 本が読めないのは頭が悪い......わけではない
 著者像を具体的にイメージする----読む前の準備1
 目次読みの重要性----読む前の準備2
 「まえがき」を熟読する----読む前の準備3
 本に線を引く----読む技術1
 アウトプットをイメージする----読む技術2
 読み返しの作法----読む技術3
 あらゆる本を面白がる技術----読む技術4
 難しい本は染み込ませる----読む技術5
 「読み終える体験」を記憶する----読む技術6
 読書の場を演出してみよう----読む前の準備7
 本との出合い方、本の選び方----読んだあとの展開1
 興味が果てしなく広がっていくDNAリーディング----読んだあとの展開2

第2部 思想篇
 速く読んで得する本、速く読むと損する本
 読書でお金は儲かるのか?
 社長の読書 なぜわたしは古典を読むのか?
 最強の勉強法、天才になれる読書
 「死ぬのだって怖くなくなる」癒す読書
 読書の効用 教養としての読書
 極私的読書体験を明らかにする

あとがき