サンリオの社長の辻信太郎氏を中心にサンリオ社の創業から昭和55年頃までを描いた本です。
あのファンシーなサンリオ社の社長さんが山梨県庁の出身というのも驚きですが、「サンリオ」という社名の由来も「山梨」を音読みにした「サンリ」に掛け声の「オー」を付けて「サンリオ」というのも驚き。
そんな、驚きが大した事ではないように思えるほど全編驚きの連続です。
サンリオと言うとキティちゃんやキキララ、スヌーピーといったキャラクターグッズを製造販売している、かわいい会社というイメージがありますよね。
ところが、そんな生易しいもんじゃないんです。
本当にかわいいんです。そして厳しいんです。
その源流は、社長辻信太郎の強烈な二面性。
一方では冷徹なまでの鋭い係数感覚に裏付けられた先見性、そしてその一方では自宅の寝室までキャラクターグッズで埋め尽くす無邪気な少女趣味。
そんな社長の会社ですから、会社も強烈な二面性を持っています。
表ではかわいいキャラクターの着いた文房具を中心としたグッズを売る会社、しかし裏ではその流通(受発注)を支える最新のコンピューターシステムが動いています。
途中であやしい占い師が出てきたり、成長の過程で企業理念が確立されたりとドラマ性も満点。
他にも、アメリカの文化や技術を日本にうまく取り入れる点などが非常に参考になりますね。
文句無く良書です。
こういう社史や伝記ものは、面白いですね。
絶版になってる本ですが、古本屋さんを探せばけっこうあるかも?
私は100円コーナーで見つけました。
探してみるのも、運試しにいいかもしれません。
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関連リンク
●平成14年度第1回先端技術部会勉強会
社内システムを整備した友近さん
<サンリオを研究するための参考書籍>
「これがサンリオの秘密です。」 辻 信太郎 著
「いちごの王さまのメッセージ―生きていることのすばらしさ」 辻 信太郎 著
「みんなのたあ坊の菜根譚―今も昔も大切な100のことば」 辻 信太郎 編
●ファンシーな絵柄のサンリオの株券
1単位の株式数引き下げのお知らせ
●サンリオに関する雑誌の記事