根性だー!とか、エイエイオー!と部下を鼓舞しても、ほめそやしてもなぜだか成果があがらない。なんでだろう。
とか、
やる気はあるけど、どうも空回りだよ。
なんて方にいいかも知れない。
本書はとかく根性論や精神論になりがちなマネジメントの問題に対して、行動科学の理論から著者の実体験を通して解説されています。
著者の提唱する「IS行動科学マネジメント」のステップは大きく分けると五つ。
ステップ1 行動を分解し「行動のレパートリー」を与える
ステップ2 行動の核を見つける
ステップ3 チェックリストを作る
ステップ4 行動することを「快」につなげる
ステップ5 理念をインストールする
このステップ1の「行動を分解し~」だけでもかなりの効果がありそうです。
例えば、「瓶ビールをグラスに注いで飲む」という行為も28段階にも分解できるそうです。
行為としても一瞬ですし、知ってる人にとっては何てこと無い動作ですが、初めて経験する人に伝えようとするとそれくらいになるのかも知れません。
「栓抜きは利き手で持つ、ビール瓶は利き手の反対側の手で持つ」
も知ってる人にとっては当然ですが、こういうのは言われないと案外気が付かないものかもしれない。最初に左利きの人の動作を見て覚えたら大変だー。
著者の経営する学習塾での補助講師の1日の行動分析の例も載ってましたが、なんと141項目。
読むだけでも結構かかりそう。でもそのうち慣れて身体で覚えるんでしょうね。
これを「背中を見て覚えろ」「やる気があればできるはずだ」と言うのは、やはり合理的ではないかも。
マニュアル至上主義になってはいけないと思いますが、最初にきちんとしたやり方や型を覚えてやるのはいい事と思います。
オリジナリティや創造性はきちんとした基礎があってこそと思いますので。
本書の中で再三出てくる「できない社員はいない、やり方がわからないだけ」と言う言葉から著者のやさしい人柄が感じられる一冊でした。
「勘」や「経験」、「思い」に頼った今までのマネジメントはなぜうまくいかないのか?
人間の行動に着目し、科学的データに基づいて行なう「とっておきの」マネジメントスキルを、人気ビジネス書著者・小阪裕司監修のもとに大公開!