大ベストセラーとなった下流社会 新たな階層集団の出現の三浦展さんの新刊。
下流社会という以前の本のタイトルを初めて見たときもドキッ!としましたが、今回の「難民世代」という言葉もなかなか刺激的ですね。
で、この本の難民世代の「世代」とは1971~74年生まれの世代の事。
私もほぼその世代の人間なので、話の中に出てくる流行の事などはわかりやすかったです。
さて、この刺激的な「難民」という言葉ですが色々な意味があるようです。
・故郷のない難民
(団塊世代が地方から出てきて都市部で生まれた子どもが多いため)
・受験難民
・就職難民
・結婚難民
と、社会の節目節目で他の世代より厳しい環境に置かれてきたという事です。
漠然と感じていた事でも、この本のようにデータで示されるとがっかりしますねorz
前作でデータの件数が少ない、サンプルが都市部に偏っているなどの意見があったせいか、今回はデータが補強されています。
例えば前作で一番引用された一節は
下流ほど自民党とフジテレビが好き
だったそうですが、サンプルは一都3県100人。
今回は全国1万人でアンケートをやり直してます。
その結果は…
上流は自民党・民主党支持、下流ほど共産党支持
なんともコメントしづらい結果に…
こういうのは、意外性がないとインパクトが薄いですね。
以下、印象に残ったところをメモ
今は自分を探しているという状態の人(35歳~39歳)
上流20%
中流30%
下流50%
みんな自分を探しすぎ!
階層意識が低い男性ほど、いろいろな人と広く付き合いたいという希望よりも、人数は少なくとも深く分かり合える親友を求める傾向が強く、 一方で親密な人付き合いは苦手な傾向が強い。
なんだか良くわからんが男心も複雑だ。
階層意識が低い人ほど食べる事に関心がない。料理が面倒だという事だけでなく、食べる事が面倒くさいと思う人が多く、栄養のバランスを気にする人や野菜をたくさん食べる人が少ないのである。海原雄山は階層意識高そうだもんなぁ。
団塊ジュニアママ市場の市場のひとつの方向性を示しているのが雑誌「LEE」でカリスマ的な人気を集めているモデル、雅姫(まさき)だ。 もうひとり、団塊ジュニアのカリスマママがchiharu(ちはる)マイワイフも好きみたいです。
階層が下になるほど
・気持ちがめいりやすい
・不安な気持ちになりやすい
・人前に出ると緊張する
・面接を受けるのが苦手
・自己アピールが苦手
・10年後の自分は今より悪くなっている
・親密な人付き合いは苦手
と、いった項目に当てはまる人が増えていく。
本の中にも出ていたけど、因果関係としては
・気持ちがめいりやすいので就職もうまくいかない
・就職がうまくいかないので気持ちがめいりやすい
と両方考えられるみたいです。
でも、誰でも気持ちがめいるときはあるし、不安な気持ちになるよねぇ。
だから別にそのあたりはいいと思うけど
・10年後の自分は今より悪くなっている
これは暗いなぁ。
降り止まない雨もないし、明けない夜もないですよ。
最近なんかの雑誌(新聞だったかも?)で
・男は格差社会に一喜一憂し、女は来世に期待する
って、あったけど書店に行くとそんな感じしますね。
で、買ってきて読んで一喜一憂してしまった。
難民世代―団塊ジュニア下流化白書
三浦 展 (著)
人口の多さゆえに、受験、就職、結婚と人生の節目のたびに「難民」を生んできた団塊ジュニア世代。今後ますます、上流と下流の格差は開いていくのだろうか…。そんな彼らの不安を取り除かなければ、日本に未来はない!誕生から現在までの彼らの「現実」を、改めてデータから解析する。