怠惰は1日にしてならず。なまけものにおすすめの本3冊

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日々の生活に疲れ、「ちょっと怠けたいな」とか「怠惰な日々を過ごしたい」と思う方に割と最近出た本でおすすめの本を3冊ご紹介。


●まずは、1冊目「怠惰を手に入れる方法
7つの大罪の一つと言われる「怠惰」にスポットを当てたのが本書。
人類がみな怠惰だと、余計なエネルギーも使わないし、人々も争うことがなく、平和な世界が訪れるし、一人一人の心の中にも平穏が訪れる、という主張。
まあ、そうかも。と、思うものの本書の内容を実践するのは結構ハード。


1,掃除するなかれ
2,風呂に入るなかれ
3,あるがままの自分を愛せよ
4,競争をやめよ
5,食べ物を大事と考えるなかれ
6,死後の世界はなきものと考えよ
7,善人になるなかれ、あるいは悪人にも
8,自分の意志で怠惰たれ
9,セックスはパートナーに任せよ
10,急を要することは何もないと心得よ


僕も、掃除とかそんなに得意な方じゃないですが、「ダメ!、絶対!」と言われるとちょっと困るなあ。部屋が本とバーボンの瓶だらけですぐに散らかっちゃうし。

あと、生活に余裕がある人じゃないと、ちょっと実践は難しいかな。ただ、最近は布団の中にこもっていたとしても、パソコンさえあれば仕事になるかもしれないですからねー。でも、仕事はほどほどにしないと、競争とか向上心がでてきますからね。注意注意。

でも、この本の3章の「怠惰の歴史」はなかなか読みごたえがある。古代から現代社会に至るまでの怠惰が社会から罪悪と見なされてきた歴史的経緯がわかります。

ちなみに著者はハーバード、プリンストン、イェールの3大学の学位を持っている劇作家。著者は大変残念ながら2006年に没。55歳という平均寿命より短い人生でした。なんとも微妙。

何事も極端はよくなくて、ほどほどがいいのかな。

最近出版された本ですが、小飼弾さんも記事にしてますね。
404 Blog Not Found:この罪、進んで犯すべき - 書評 - 怠惰を手に入れる方法

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怠惰を手に入れる方法 (単行本(ソフトカバー))

ありとあらゆるダイエット、自己啓発、マニュアル本を試し、ただの一度も成功したことのなかったウェンディ。
そんな彼女が出会ったのは、なんと怠惰!
なまけ者は罪?
けれど、ひとたび怠惰を手に入れれば、その先の人生に怖いものはなし!
キリスト教における怠惰から日常生活における怠惰まで、ユーモアたっぷりに幅広く紹介。
本書にならえば、究極のなまけ者ライフがあなたのものに――。
人類よ、怠惰を抱け!

トニー賞、ピュ―リッツァー賞受賞の劇作家がおくる
ナマケモノ・エンターテインメント!
ナマケモノばんざい!「世界中の人がこの本読んでナマケレばいいんだよ」(あとがきエッセイ――しりあがり寿)


●つぎ、2冊目。沈黙の科学10日間で人生が変わるヴィパッサナ瞑想法


怠惰や怠け者というのは失礼かもですが、見た目には怠け者っぽいので。
こちらも、著者の経歴は面白くて、MBA取得者にしてヨガ講師。資本主義社会と精神世界を極めたとはいかないまでも、両方のエキスパートですね。


こっちの本の手法は、一見簡単そうだけど。実は結構ハードらしい。

「10日間で人生が変わる」とまでいうその手法は。
ひたすら沈黙しながら何も考えずに座る。

黙って座ってるだけだから結構簡単そうですけどね。でも、何も考えないというのは実は難しいらしい。周りで音がしてもそれについて「あれっ?」とも思えないし、どこかがかゆくてもそれに心を乱されてはいけない。

著者が、インドに10日間のヴィパッサナ瞑想法の合宿スクールに行ったときのスケジュール

修行の1日目のスケジュール 
  ~4:00  起床
4:30~6:30  瞑想
6:30~7:00  朝食
8:00~9:00  瞑想
9:00~11:00  瞑想
11:00~11:30 昼食
13:00~14:10 瞑想
14:30~15:30 瞑想
15:30~17:00 瞑想
17:00~17:30 ティータイム
18:00~19:00 瞑想
19:00~20:30 ディスコース(ビデオを見て勉強しながら瞑想の復習)
20:30~21:00 瞑想

1日中瞑想するわけですから当たり前ですが、スケジュールを見ると瞑想ばっかりですね。
そして、合宿期間中は、他の受講生などとも一切口をきいてはいけなくて、ずっと沈黙。


著者の体験記を読むと「黙って座ってればいいんだから楽なのでは?」という思いは吹き飛んでしまいますね。

この瞑想法のやる意味というか、得られる効果の一部を引用すると

10日間外界から完全に隔離され瞑想のみを行うというのは、私たちの頭の中をいったんリセットする効果があるようです。一度すべてをきれいにしないと、瞑想の良い効果を得にくいのです。
[略]
頭の中のゴミがあふれ出しそうになるとストレスという言葉を使い、娯楽やレジャーまたはお酒などによってごまかしています。本当はまずはゴミを片付ける方が重要なのです。

私たちは、嬉しいことがあれば喜び、悲しいことがあれば悲しむのが普通だと考えています。しかし、それでは周りの状況にいちいち左右され、自分ではコントロールできず、結果として満足した人生にはなりません。自分の幸せは周りの環境次第といった状況です。

最近取り入れている人が多い仕事術のGTDでも、「まず最初に自分のやりたい事を徹底的に書き出して、頭の中を空にする」とあります。

定期的に、頭の中をデフラグするのは重要ですよね。

いろいろなやり方はあると思いますが、「10日間の外界と隔絶されてインドで瞑想」はハードルが高いと思います。とりあえず、携帯電話を家においたまま仕事のことを忘れて、泊まりで旅行などかな。

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沈黙の科学10日間で人生が変わるヴィパッサナ瞑想法

ブッダの悟りがこの瞑想で分かる! 
MBA取得者がインド・リシケシから持ち帰った、人生を自由自在に変えられる究極のシンプルメソッドとは?
 「今を生きる」とは具体的にどういうことなのか、ストンと腑に落ちる1冊です。

「悟りとは、心と身体を純化してキレイにするということです。心が変わり、ものごとに対する反応が根本から変わることにより様々な変化も起こり、人生を自由自在に変えられるといってもよいほどの大きな違いが生まれます。人生を変える重要な鍵は私たちの内側にあるのです」

●最後が、一番取り入れやすくて現実的かな。

本田直之さんのなまけもののあなたがうまくいく57の法則

こちらは、「能動的なまけもの」と言いますか、自らなまけものになるために努力はおしまないという感じですね。

一例を紹介すると
・パソコンのショートカットキーを覚える
・自分で不要な苦労はしないように、ビジネス書から先人の知恵を学ぶ
・なまけものなだから、通信教育は続かないからやらない
などなど。


なまけるために努力を重ねていると、結局は効率的に手際よくものごとをこなせるようになるという、実に嬉しいヘブン状態になります。


面倒だから、「本も読まないし、パソコンも起動したくない!俺は怠け者だ!」という方には、1冊目の「怠惰を手に入れる方法 」とか2冊目の「沈黙の科学10日間で人生が変わるヴィパッサナ瞑想法」がおすすめ。
でも、たぶんそっちの方が本田直之さん方式よりハードだと思う。

なにごとも道を究めると言うことは、一筋縄ではいきませんねー。

一番簡単なのは、「中途半端」ですかね。でも、それも「中庸」と考えると結構いいかも。

まあ、なにごとも、本人が楽しく取り組めればそれでいいんじゃないかと。

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なまけもののあなたがうまくいく57の法則 (単行本(ソフトカバー))本田 直之 (著)
# 単行本(ソフトカバー): 160ページ
# 出版社: 大和書房 (2009/7/16)

始められない。
続けられない。
だらだらしてしまう。----
ひとつでも当てはまるあなたは、なまけものの資格が十分です。
そんなあなたが「やれたらいいな」を実現するための、
ほんの小さな57の工夫を紹介します。

たとえば、
■あえて他人に流される
■「やればできる」はウソ
■テレビをやめてラジオにする
■優先順位をやめて思いついた順にやる
■同じ服をたくさんそろえる
■雨が降ったら休む
......などなど全57法則!!

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