仕事ができる人の3つのステップ:「結果を出す人」はノートに何を書いているのか

サラリーマン必読ですね。

僕は、口絵に、整然と並んだメモパッドやノートの写真だけでハートがとりこになりました。うっとり。
口絵 ノート一覧

本書は、現役サラリーマンの著者が教えるノート術。

花王株式会社で数々のヒット商品のプロジェクトリーダーや他社とのコラボレーションもまとめる著者。現役の組織人ですから、なかなか具体的な仕事の個別の中身には触れられない事情もあるでしょうし、「○○は、ワシが育てた」とも言いにくいでしょうから、その辺は控えめ。

その他に、客観的な指標としては、甲種危険物取扱責任者を6ヶ月、簿記2級を3ヶ月で取得してます。仕事をしながら分野の違う難易度の高い資格試験を短期間で取得。

しかし、本書の場合『「結果を出している人」のノート術』というタイトルでありながら、逆に『こういうノート術で仕事をすれば「結果が出せる」』人であろう、と読者が類推することもできるとできますね。それだけの内容になっています。

組織の中に身を置き、上司に言われるまま漫然と仕事をこなし、仕事が終われば居酒屋でビールを飲み、ナイターを見ながら同僚とウダウダ。それでも、そこそこ出世して昇給していくような時代であれば、それもまた楽しですが、サラリーマンも近年の社会情勢を鑑みると、仕事のスタイルや技術をを能動的に模索していかなければならない時代です。

そんな、時代でも生き残るためにも「結果を出している人」がノートに「なにを」書いているか気になるところですが...それだけじゃなく、冒頭の口絵にもあるように「なにに」書いているかも丁寧に説明しています。


本書で言いたいと思われることを「えいやっ(サラリーマン用語)」と、3つのステップにまとめると
1、googleで検索できること、書籍で知ることができることは、他人の知識や経験である。
2、他人の知識や経験は知ってるだけでは意味が無く、必ず自分の行動に落とし込むこと
3、行動した結果を点検、検証し、改善策を検討・実行する

1の「情報を入手する」ステップで満足してしまい、それで仕事をしたつもりになってはいけない。
でも、大半がこの段階で終わってるような気もする。自戒も込めて。

そして、ややできる人でも、次の「行動したこと」で「俺はできる!」と思ってしまいそう。
僕は、この中で紹介されているノートやボールペンを購入して「ふふーん!同じノート買ったもんね」満足してしまいそうです。自重自重。

さらに、できる人は、行動だけで満足することなく、「検証・改善」までいって、仕事のひとつのサイクルが終わったということになるのでしょう。

そして、そのために必要不可欠なものがノートですよ。ノート。
なにも、特別な道具(ノート)が必要な訳じゃない。実際に、著者が使っているのはどこでも売っていそうな普通のA5のノート。しかし、その普通に売っているA5のノートも漫然とそれを使っている訳じゃなく、きちんとテスト・検証・改善の結果普通のA5のノートに落ち着いている。

そこに至るまでの思考の過程もきちんと本書の中に記されていますが、それも普段からきちんと思考の過程をノートに書く習慣からでしょう。

僕もここで自分のサラリーマン時代の話や試行錯誤の過程など書ければいいんですが、特にそういう立派な話もないので、ちょっとこの本を読んで思い出したような話でも引用してみようかな。

まず、メモについて
知性について』ショーペンハウエル p90より

 自分でおこなった貴重な省察は、できるだけ早く書きとめておくべきである。これは、当然な心がけである。われわれは自分の体験でさえ時には忘れてしまうのであるから、まして自分が思索したことは、どれだけ忘れ去るかわからない。それに、思想というものは、我々の望みどおりの時にやってくるものではなく、気まぐれに去来するものなのである。

ボールペンとメモパッドは肌身離さず。ボールペンとメモパッドを持って歩く事を忘れるような人間が、アイデアなど覚えておけるわけがない。
続いて

読書について』「思索」ショーペンハウエル p18

第一級の精神にふさわしい特徴は、その判断がすべて他人の世話にならず直接自分が下したものであるということである。このような精神の持ち主が提出する意見はことごとく自ら思索した結果であり、しかもそのものの言い方のはしばしにも表れている。

穏やかながら、静かな自信にあふれたノート術の著者の美崎さんの文章を読んでふと思い出しました。
続いて

読書について』「思索」 ショーペンハウエル p9より

だれでも次のような悔いに悩まされたことがあるかもしれない。それはすなわちせっかく自ら試作を続け、その結果を次第にまとめてようやく探り出した一つの心理、一つの洞察も、他人の著した本をのぞきさえすれば、見事に完成した形でそのなかに納められていたかもしれないという悔いである。
けれでも、自分の試作で獲得した真理であれば、その価値は書中の百倍にもまさる。

自分で獲得した真理が百倍も価値が貴重なら、このように自分で獲得した真理を書籍にしたらその価値は何千倍、何万倍に相当するのでしょう。

書籍にしないまでも、自分が仮説を立てて獲得した経験は、きちんと自分の中で再構築して文章でまとめておくことで、その価値が数倍、数十倍、数百倍上がることでしょう。

それを公開することは、他の人の役にも立ちますし、フィードバックが帰ってきて、洗練されて、さらに価値が高まりますね。

サラリーマンの脂ののった時期の、忙しい中、書籍を書くことには時間的にも相当苦労されたんではないかと思いますが、その甲斐はあったんじゃないかと思います。読者にとっても著者にとっても。

著者が、書店にとっても、出版社にとっても、「結果を出す人」になるといいですね。

9月11日(金)~9月18日(金)の間に購入すると特典があるみたいですよ。
新刊JP FEATURING 『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』
を参照してみてくださいねー。


あと、サラリーマンのノート術だと、
ITmedia Biz.ID:新人諸君に告ぐ――まずはノートを買おう
誠 Biz.ID:樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:最悪のビジネス修羅場で正気を保つため――ノートに思いを書け
で、おなじみの樋口 健夫さんのシリーズもおすすめです。


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「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (単行本(ソフトカバー))

●仕事はメモする段階で差がついている!

なぜ同じことを経験しているのに、
きちんと身につく人と、そうでない人とで違いが生まれるのでしょうか。
これは頭の良し悪しとも、記録力の良し悪しとも関係がありません。

結果を出せる人と出せない人の違いは、ずばり「ノートの使い方」にあるのです。
学んだことを確実に成果へとつなげるには、
ノートに「経験」を「記録」し、ためていくこと大切です。
たまった経験から問題が見える化したり、改善点も明らかになります。

自分の「学び」は、ネットでは検索できません。
自分固有の経験を積み上げていくには、「ノート」に書く必要があるのです。

●はじめに
●第1章 ノートは仕事でどう使うのか?
●第2章 仕事ノートの選び方・使い方
●第3章 ノートを使った仕事術
●第4章 ノートを使った時間管理術
●第5章 自己投資のためのノート術
●第6章 デジタルを使ったノート術
●第7章 仕事ノートに使うお勧め文房具


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図解 仕事ができる人のノート術 - ノートを使って深く考え、発想する122の方法!! (単行本)樋口 健夫 (著)

「自分のノートを持たないで良い仕事をすることは不可能だ」と著者は言う。 それは、脳で考えたもの、脳が外から影響をうけたものを、ノートに書くことによって、思考の整理整頓を行ない、新たな戦略が立てられるからだ。 だとすれば、職業や年齢、性別に関係なく、ノートは人生や生活を豊かなものにする強力な武器となるはずだ。 しかし、いつの間にか、日本人はノートをあまり使わなくなってきた。 そのことが、日本のビジネス競争力が低下した理由の一つであると著者は考える。 では、実際にどのようにノートを使えばよいのか。本書では、仕事の場面別ノート、多目的ノート、手帳や日記帳としてのノート、発想ノート、外国語学習ノート、スケッチノート、学校での学習ノート、自分史ノートなど、目的に応じたノートの使い方を、写真や図を用いながら具体的に説明している。まさに、何十年もノートを工夫し続けてきた達人の、技術が網羅された一冊といえよう。

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知性について 他四篇 (岩波文庫) (文庫)ショーペンハウエル (著),

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読書について 他二篇 (岩波文庫) (文庫)ショウペンハウエル (著)

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