大先生の新刊!『一生食べていくのに困らない 経理の仕事術』

2008年のこのブログでの売れた冊数no.1だったのが吉澤大大先生の『儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方』です。その吉澤大大先生の新刊が出ました!
(吉澤大先生では、お名前なのか敬称なのかまぎらわしいので、吉澤大大先生とします)

【参考】儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方 吉澤大(著):[俺100]

タイトルは『一生食べていくのに困らない 経理の仕事術 』です。

経理のお仕事は、個性が出しにくい仕事です。
「私は個性を出して、四季折々のイメージに合わせて試算表をつくります」
と、いうようなことは許されません。

なので、「仕事術といってもできることは限られるのではないか?」と、思って読み始めましたが、なかなかどうして。工夫できること、改善できることは山のようにあります。

個性を出しにくい職種だからこそ、付け焼き刃や見た目の突飛さなどでごまかすことができない分、できる人とできない人の実力差が如実に出ます。

ベーシックでシンプルな料理にこそ、料理人の腕が出るのと同じ事ですね。

 個性は出しにくいですが、その分、定型的で楽な業務かというと
そんなことはありません。スピーディーで正確で当たり前。ミスはゆるされない厳しい世界です。
 
 その一方で、現在スピーディーに正確にできていると、あまり新しいことにも挑戦する必要性を感じにくい職種かもしれません。

本書では、粛々と事務作業をこなす経理パーソンから、ワンランク上の「経営者に必要とされる経理パーソン」へステップアップする46の方法が解説されています。

 前半では、一般のオフィスワーカー全般に通用する、仕事術やツールの解説。後半で、経理パーソン固有の業務について書かれています。

前半の部分は、「速く、正確に」が要求される人たち全般に役に立つ習慣です。特に、集中力を保って仕事をする方法、繰り返し作業の方法などは参考になります。

また、人によっては意外かもしれませんが、経理業務はチームワークが要求される仕事でもあります。その情報共有の仕方やマニュアルの作り方についても詳しく解説しています。特にdropboxやgoogle documentsなどのツール類については、実際の使用例も合わせて書かれています。

後半の経理特有の業務の部分は、吉澤大大先生の真骨頂ともいうべき部分です。経営者が資金繰りなどで悩んでいるときに、さっと資料が出てきたり、さりげなく助言ができるようになったら、社長の右腕として、もう手放してくれないでしょう。

 最近では、経理業務に限らず、仕事の細かいノウハウというものが、職場で伝承されにくくなっています。また、本書を読み職場で、いきなり業務のやり方を変えるというのは難しいかもしれません。
 しかし、自分の業務のやり方はまだまだ改善の余地がある事や、改善するにあたり、自分に求められていることや自分の仕事の本質を見直すことも大切な事だと思います。

 その、本質を見直すための本として、経理パーソンに最適なのが本書です。

 さて、この本の別な面で面白いところは、経理業務のノウハウばかりではなく、「自分のさりげないPRの仕方、売り込み方」が書かれているところです。
 
 皆さん、ご存知のように士業というのは、自分からバリバリと宣伝して営業しにくい職種です。26歳の若さで税理士事務所を開業した吉澤大大先生が現在にいたるまでに、自分から売り込みをしないで、いかに信頼を得てきたかのノウハウが随所に盛り込まれているところが面白いです。引っ込み思案で内気な僕はかなり参考になりました。得した気分です。ツイてます!

 


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一生食べていくのに困らない 経理の仕事術
著者:吉澤大
出版社:かんき出版
発行日:2012/2/18



はじめに ほんとうに経理職は営業職に食わせてもらっているのか?
Chapter1 社長が手放したくない経理パーソンの仕事の習慣
Chapter2 今より30分早く仕事を終える時間術
Chapter3 作業を分解し業務のムダを省いて利益に貢献
Chapter4 社長の期待に120%応えるデータ提供
Chapter5 資金調達での活躍がもっとも評価を上げる!
おわりに (才能×努力)×運=成果

低成長時代が続き、右肩の売り上げ増加が見込めないなか、経理による「コスト削減」や「経営資源の効率アップ」という仕事の重要性は高まっている。

また、経理の仕事は繁閑の差が激しく、毎月の締日や決算期には連日残業という多忙ななかでも、ソツのない事務処理が求められる。そこで、本書は「ミスなく正確に、速く仕事をこなす」ことをテーマに、これからの経理パーソンに求められる、さまざまな仕事術を紹介する。

定型業務のマニュアル化など時間効率を上げるテクニックはもちろん、ペーパレス化やITツールを使ったタスク管理・情報共有など、最新の事例を織り交ぜて解説。処理能力のアップだけに限定せず、プロの経理として経営に貢献するための会計データの作成法や、銀行からの融資の引き出し方についても言及する。

自ら能動的に動き、経営者に必要とされる経理パーソンになるための一冊。

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