「逆境に負けない人」の条件 「いい加減さ」が道を開く

原書のタイトルはThe Survivor Personality: Why Some People Are Stronger, Smarter, and More Skillful at Handling Life's Difficulties...and How You Can Be, Too

著者のAl Siebertは元落下傘部隊というユニークな経歴を持つ生き残り研究家。
公式サイトTHRIVEnet

運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則のリチャード ワイズマン博士も元手品師で幸運研究家ですが、色々な研究をしてる人がいるものですね。

突然の不幸に見舞われたら、あなたはどうするだろうか?
普通なら、うろたえたり、悲観したり、へこんだりするだろう。

しかし世の中には不幸に見舞われると


自分の中にある新しい力を見出し、突然の不幸にしっかりと対応する。
そして結局それを切り抜け、すべての事をうまく運んでいく……。

こういう人も結構いるみたいです。

発明家やベンチャー企業の経営者に多いみたいですね。

人生は苦難の連続、と言えば大げさですが、大なり小なりのトラブル・アクシデントはつきものです。

それに対する、対応の仕方でその後の運命が決まってしまいます。

有名なところではエジソンは電球を発明する過程で実験に失敗したときに
「また、電球に適さない材質を発見できた!」
と、言ったと聞いた事があります。

2回や3回の失敗でへこんでいたのではエジソンも電球を発明できなかったことでしょう。

さて、本書では、そんな逆境にも負けない人間になるためのアドバイスをしてくれます。
逆境に負けないためには、張り切ってひたすら前進すればいいかというとそうでもない。映画ランボーの主人公のような猪突猛進型はすぐに死んでしまう。


実際のビジネスもそうですが、事態は刻一刻と変化しマニュアルどおりには決して進みません。

生き残るためには、冷静さ、遊び心、柔軟性、協調性、場を読む能力が要求されます。
そして、最後にものをいうのは、「生き残る」という強靭な意志だそうです。

と、ここで終わるとただ生き残るだけです。

しかし、世の中には逆境を克服して生き残るのみならず、それを幸運に変えてしまう能力を持っている人もいます。

例えば日本では松下幸之助さんが
「家が貧乏だったから、丁稚奉公に出て仕事を覚えた。
 学歴が無いから、人の話をよく聞く事ができた。
 体が弱かったから、他の人を信頼して任せることが出来た。
 お金がなかったから、ひたすら働いた。
 」
と言っています。

これなどは、逆境を幸運に変えてしまうタイプの典型的な例でしょう。

他にも人生の目的が見つかる魔法の杖面白いほど成功するツキの大原則―ツイてツイてツキまくる頭の使い方教えますで有名な西田先生も、
「俺は頭がハゲてるから、ハゲをネタにできるし、講演でつかみもとれる。
 ハゲてて良かった。ハゲててツイてる!」
と言っています。

こういう逆境を逆にプラスに転じる方法が終盤の
第11章の「不運を幸運に変えるセレンディピティの力」で説明されています。

不運を幸運に変える方法は実は結構簡単です。

「○○だからツイてたよ」と、とりあえず言ってしまえばいいのです。
(あくまで時と場合を考えて言いましょう。念のため)
そうすると、ツイてる理由を考えなくては、いけなくなるので、自然に考えがツイてる方向に向かっていきます。

逆境を克服して、元に戻るのみならず、プラスに転じる。
そんな人生を歩みたいですね。

逆境が無いのもいいですが、坂道がないと上には行けないです。
進んで逆境を作る必要はありませんが、逆境がきたら、ほくそ笑む位の余裕を持ちたいですね。

ツイてる!ツイてる!

●補足トリビア
・セレデンティピティの語源は
セレンディップの三人の王子
からきている。


偶然、貴重なものを発見すること、またはその能力-「セレンディピティ」の語源となった物語。5世紀にペルシアで生まれた伝承が、ヨーロッパを渡り、アメリカの作家による翻案がいま、日本語になった。


「逆境に負けない人」の条件 「いい加減さ」が道を開く
「逆境に負けない人」の条件 「いい加減さ」が道を開く


「生き残り博士」の大研究! もう「タフ」では生き残れない!
40年来、様々な「サバイバー」たちの研究を続けているアメリカの心理学者(元米軍落下傘部隊!)が、生き残っていくことのできる人間に共通の資質を解明。
「いい加減さ」「弾む心(レジリエンシー)」「好奇心」などが、変化やアクシデントに立ち向かうための秘訣なのです。

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