新聞・書籍・雑誌など毎月、締め切りを50本こなすジャーナリスト・作家の「読む・書く・アイデアを出す」技術。
毎月50本というと、週一で休んだとすると1日2本締め切りを抱えてる事になりますね。
その生産力のノウハウを開示した一冊。
読書術・書斎術・検証術・仕事術・文章術・回避術・決断術
など話題は多岐にわたっています。
読みやすい文章なので案外スラスラ読めると思います。
私は読書術・書斎術が気になったのですが、
机の上のモノや使ってるものの具体的な品名まで書いてるので、イメージしやすかったですね。
●各モノに偏差値をつけて数値化せよ。
・ホチキス 50
・消しゴム 30
・メモ帳 80
など
●引き出しの中は、稼働率回転率を重視せよ。
死蔵してるものはムダ
など
あと、「本を保有するコスト」という概念が面白い
例えば、家賃(買った場合は月のローン)15万円のマンションの占有20%相当に3000冊の本を置いている人は1ヶ月につき1冊あたり10円のコストがかかっている事になります。15年では1800円です1冊1800円だけど、10冊で18,000円、100冊で180,000円、1000冊で1,800,000円かぁ。
かなり大きい。
ただ、3,000冊以上になると保有するコストもかかるけど、管理するコストや、探すコストもかかってきますね。
ちなみにこんな事を書いている著者は本棚が100本以上あるそうです。
そんな感覚の著者なので微妙に感覚がずれているところも面白い。
例えば
35才を過ぎてブログを始めて継続してるような輩は、たいがい本の置き場に困ってるものである
いや、それはあなたの周りだけではないのかと。
まあ、こんな本を買うくらいの人にたいてい当てはまるのかもしれませんが…
そういう意味では鋭いところをツイてるのか!
本書は21世紀版の「知的生産の技術」を目指して書いたそうです。
知的生産の技術の凄さは内容はもちろんですが、その後の同ジャンルの本に大きな影響を与え、引用された回数や参考文献として取り上げられた回数が多い事でしょう
1969年刊ですからね
この本も30年後まで版を重ねるといいですね。
「おわりに」に、過去の知的生産本で夢として語られていた事が、現在は技術の進歩により個人で使えるようになったと書いてます。
例えば、日本語ワープロ、個人コピー機、文献データベース、持ち歩ける百科事典などなど。
そう考えれば、生産性が100倍くらい上がって、働く時間も10分の1くらいになっていても良さそうですが…
逆に個人の時間にも仕事が食い込んでくる事が多くなったなぁ。昼夜の区別なしに。
なんだかなぁ。
最後に、「毎日ブログを更新する!」と考えると大変だけど
「毎日23時間30分はブログの事は考えなくて良い」と思えば精神的に楽だそうです。
なるほど。
知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る
日垣 隆
1ケ月で100冊の本を読む、探し物は2秒以内、使えるメモの技術と資料の集め方、仕事を後回しにしないコツ、アウトプットを前提とする…。地道な努力にサヨウナラ。すぐに使える21世紀の知的生産の技術を紹介。
知的生産の技術
梅棹 忠夫
考える技術・書く技術
1973年
板坂 元
知的生活の方法
1976年
渡部 昇一