Web2.0的成功学―複雑系の科学と最新経済学で時代を読む

Web2.0的成功学」実に魅惑的なタイトルです。
著者は、大阪大学大学院助教授でMYCOMジャーナル - IT資本論を連載中の近勝彦氏。

著者は従来の成功学を能力、意欲、運などの各要素に分解した「要素還元主義」であると説く。
しかし、個々の要素に分解すると全体としての行動や意義を見失いやすく、また全体が部分の総和とは限らないとしている。
本書では、それを踏まえ近年発達してきた「複雑性の科学」「最新ネットワーク理論」「情報と不確実性の経済学」の要素の複雑な関係性に注目した「複雑系ネットワーク理論」で成功の秘密を解き明かす。

一見難しそうですが、複雑な関係から「単純な見方」を導き出すのが目的ですから、結論が判れば過程はあとからじっくりでもいいかも。

全般的にIT関係の技術用語は少なめなので技術者以外の方でもスラスラと読めると思います。
事例として出てくる会社も、インテル、ソニー、グーグル、Amazon、ミクシィといった、おなじみの企業が多いのでその点もわかりやすいですね

本のレビューがAmazonよりmixiの方が多いという話は興味深かった。
「国家の品格」では、Amazonが392本、ミクシィが4133本
「ウェブ進化論」がAmazonが159本で、ミクシィが1826本ということです。(2006年9月調べ)

約10倍もの差がありますね。

でも、レビューも1000件以上もあると読むのが大変ですね。

Web2.0関係の本も色々出ていますが、Web技術関係よりは、複雑系や経済理論の面から迫りたい方にはおすすめの一冊です。


下記の本を読んだ方は、スラスラ読めると思います。
スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法
複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

俺100ショップ - Web2.0的成功学 参考文献

Web2.0的成功学―複雑系の科学と最新経済学で時代を読む
Web2.0的成功学―複雑系の科学と最新経済学で時代を読む
近 勝彦 (著),
「複雑系の科学」「最新ネットワーク理論」「情報と不確実性の経済学」という3つの理論によってWeb2.0的な世界の本質に迫り、その複雑な世界で見落とされている「成功のための単純な見方」を導き出します。

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