Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―


Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム」の続編。
前著よりは、かなり実践的になっています。

脳と心に関する75のhacksが

・記憶
・情報の処理
・想像力
・意思決定
・コミュニケーション
・明晰さ
・知性の健康

の7つの章にビシッと詰まっています。

読み始めて、扱っている範囲の広さと深さに驚いた。

序盤の「忘れ物チェックリスト」「替え歌記憶術」で「なんだか普通だね」と思ったものの
読みすすめると

・夢日記をつける
・瞑想
・自己催眠

といった自己啓発書やスピリチュアルっぽいものから

・指で100万まで数える
・可分性を確かめる
・平方根を予測する
・日付から曜日を当てる

といった数学的なもの

・ものごとの存続時間を予測する
・人工言語を学ぶ・作る
・罰と報酬

といった高級なものまでとにかく幅広い。

そしてそれが深い。

こんなに色々詰め込んだら、最後の方には良くわからなくなるのでは?と思ったら、最後のhacksが「知的作業の道具箱」という、「状況に応じて必要な時に必要な道具を出す方法」のコツが書いてあった。意外に親切。ツンデレだ。

元々、英語の本ですので、随所に出てくる参照URLの内容がほとんど英語のページなのが、ちと残念ですが、内容がある程度わかってから該当のページを読むことができるので、英語の勉強にもなって逆にいいかも。

個人的に印象深いのは「可分性をたしかめる」というHack。絶対昔は知ってたはずなのに、すっかり忘れてる数字もあった。悔しいなぁ。そして7の場合ははじめて知った。
ちなみにこんな感じのやつです。

1=すべての数字は1で割り切れる
2=末尾の数字が偶数なら2で割り切れる。2で2回割ってもいい
3=すべての桁を足して3の倍数なら3で割り切れる
4=下二桁が4の倍数なら4で割り切れる
5=末尾が0か5なら、5で割り切れる
6=2でも3でも、割り切れるなら6で割り切れる
7=65,282,497の事例 65-282+497=280 280は7で割り切れるので65,282,497は7で割り切れる(個人的には7の場合は意味が分からん)
8=下3桁が8の倍数なら8で割り切れる。
9=すべての桁の数を合計して9になれば9で割り切れる
10=末尾の桁が0であれば10で割り切れる。

本書では15の場合までについて説明されています。

こういうのが暗算でできると結構便利ですよね。

前作が、個人的に当たりだったし、ちまたでも評判で品薄にもなって、Amazonでも長期にわたって在庫切れにもなるほどでしたので、本作も内容に関して不安はありませんでしたが、購入する前は3,000円弱の本なので「ちと高いかな?」と一瞬躊躇したのも事実。

しかし、購入後は逆に400ページで3,000円という枠の中によく収めたね。と感心。
この本の中に書いてあることを全部試したら物凄い効果を発揮しそうだけど、ボリュームがありすぎ。

Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―Lifehacker インターネット時代のワークスタイル改善術!を両方読んだ方には、Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―よりは、具体的な方法が載っていて、Lifehacker インターネット時代のワークスタイル改善術!よりは抽象的な度合いが高い。というとわかってもらえるでしょうか。

サンプルPDF版がwww.oreilly.co.jp -- オライリー・ジャパンにあり

- 「はじめに」
- 「2章 情報の処理」から「自分の脳に合わせた学習(Hack #15)」
- 「4章 数学」から「数と友達になる(Hack #36)」
- 「7章 明晰さ」から「心の慣性力(Hack #65)」

の部分を読むことができます。

75もあるhacksの項目だけ見てても楽しいですね。

Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―
Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―

「脳」を思いのままにチューンアップして、能力を向上させる!
「脳」をテーマにしたHacksシリーズ第2弾。前作『Mind Hacks』で書かれた「脳」の働きに関する考察をさらに推し進め、本書では脳の効果的な使い方・働かせ方に焦点を当てる。「記憶」、「情報の処理」、「創造力」、「数学」、「意思決定」、「コミュニケーション」、「知性の健康」など、日常生活に根ざしたテーマごとに、脳を思いのままにチューンアップし、脳の生産性を、効果的かつ安全に引き出すための実用的なアイデアや手法を提供する。


目次

1章 記憶
章 記憶
1. 忘れ物チェックリスト
2. 数字形システム
3. 記憶の宮殿
4. 隅から隅まで
5. メジャー記憶術
6. ドミニクシステム
7. ようこそ「ホテルドミニク」へ
8. ホテルドミニク概観プログラム
9. ルイス・キャロルのメモリアテクニカ
10. 替え歌記憶術
11. 情報をグループにまとめる(チャンキング)
12. 「のどまで出かかっている」ことを思い出す

2章 情報の処理
13. アイデアを捕まえる
14. 速記
15. 自分の脳に合わせた学習
16. マインドマップ
17. エクソセルフを作る
18. ゴミ、がらくたの排除

3章 創造力
19. 天然乱数発生器
20. 無作為な組み合わせ
21. PO
22. SCAMPER
23. 創造力デッキ
24. 制約を設ける
25. 比喩的に考える
26. 安全で衛生的なミームのセックスを楽しむ
27. 知性の音楽を奏でる
28. 夢ソナー
29. 夢日記をつける
30. 心に問いを持つ
31. 別人になる
32. アイデアに到達した経緯を確認する
33. ひたすら考える
34. ワードスペクトラムで発想の幅を広げる

4章 数学
35. 電卓を使わない
36. 数と友達になる
37. 「可分性」を確かめる
38. 暗算の「チェックサム」を求める
39. 自らの手を「そろばん」に
40. 指で100万まで数える
41. 概算
42. 平方根を推測する
43. 今日は何曜日?

5章 意志決定
44. 問題の重要度を予測する
45. 存続時間を予測する
46. 絶対優位の戦略
47. 絶対劣位の戦略の排除
48. 考え過ぎない
49. ダイスを転がせ

6章 コミュニケーション
50. 言葉をミキサーにかける
51. 人工言語を学ぶ
52. be動詞を排除する
53. モールス信号の速習
54. 人前であがらないコツ
55. バカげた質問をする
56. 理解しやすい文を作る

7章 明晰さ
57. 感情のABCモデル
58. 認知のひずみの解消
59. 4倍呼吸
60. 瞑想
61. 自己催眠
62. 独り言
63. 自分にインタビューする
64. 偏見をなくす
65. 心の慣性力

8章 知性の健康
66. 脳のウォーミングアップ
67. ボードゲーム
68. テレビゲームによる訓練
69. 睡眠、栄養、運動
70. 睡眠
71. 昼食後には眠くなる
72. 脳の「オーバークロック」
73. 向精神薬について
74. 罰と報酬
75. 知的作業の道具箱

付録 プログラム集
8. ホテルドミニク概観プログラム
20. pyroプログラム
49. pyroプログラムのデータファイルwhattodo.dat

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