これだけ、付箋を付けた本は久しぶりかも。
結局、たくさん付けすぎてしまったので、読み終わった後にすぐにもう一度読んでしまった。
著者は、20年間英語教育に携わり、2,000万円以上も自腹を切って英語学習に費やし、そして2,000人以上を指導してきた三宅裕之氏。
ベネッセで語学事業、「絶対内定」シリーズでおなじみの我究館の代表、TOEIC/TOEFLのハイスコアを狙う「PRESENCE」の校長を務めカリキュラム開発やコーチもこなすなど経験豊富。
自分の学習した過程と多くの人を指導した指導経験がうまくマッチングして納得できる内容となっています。
多くの方を指導した経験から、学習者がどこで不安になり、どこの部分がわかりにくいのかなどを熟知してます。
個人的に惹かれたのは、冒頭で大阪府立大学の計量経済学の鹿野先生の研究結果に対する解釈です。
「英語を使う人とそうでない人の年収格差は男性で18.2%、女性で40.2%」というニュースを聞いた事がある人は多いと思います。
その解釈は「英語が出来ると仕事の幅が広がるから。世界が市場になるから」などという解釈が多いですが、
著者は「英語ができる人は努力して自分を磨く人だから」としています。
自ら進んで自分を磨き常に向上心を持っている人が多いから、年収も高いと。
読んで感じるのはやはり「英語学習に王道なし」ということ。
「聞き流すだけでペラペラ」「ある日突然英語が口からシャワーのように」なんて話は広告の世界でしか存在しない。
しかし、王道は無いけれども、その学習過程を効率よく楽しみながら行う方法はあるということが本書でわかった。
この「楽しみながら」というのが結構ポイントで、苦行では長続きしない。そして大して英語の能力も向上してない上に「挫折した自分」という悪いイメージまでついてしまう。
本書では学習の初期段階で重要なのは
・全体像をつかむ
・プロセスを楽しむ
・基礎を徹底する
の3つとしています。
特に基礎の徹底は重要なことで、「松井やイチローも今でも素振りをしている」という言葉で表現しています。
この辺はいたってオーソドックス。
そして、意外なのがその基礎段階で重要視するのが「発音」との事。
最近、「近年の仕事の場ではネットの活用が欠かせない。そこで実際に必要なのは、文献やwebを読める能力、e-mailやwebで発信する能力」などという事が言われ、書き言葉中心の学習法をおすすめする方も多いですが、著者は学習の最初の段階で徹底的に発音を鍛えることを提唱しています。
師曰く、最初にきちんとした発音を覚えていないと、その後の学習スピードや能力の向上に大きな差が出てくるとの事。
しかし、母国語でない言語の発音をマスターするのは難しいようで、著者のようなレベルでも「聞き分けれない音」があるという事です。
そして、普通の本ならそこで終わってしまうところですが、この本では
「聞き分けれない音はあるけど、言い分ける事はできる。そして、言い分けれるようになったことで聞き分けることもできるようになった音もある」とフォローしています。
こういう感じで一つ一つの項目が丁寧です。やはり、多くの方を指導してる人は違いますね。
他にも、「英単語の語義は一つに絞る」とあって、英単語ひとつにつき意味を一個だけ覚えれば良いとしています。
しかし、そんな事を言われても、普通の人は「本当に一つで大丈夫なのだろうか?」と疑問に思ってしまいます。
「やはり複数の意味を当然覚えるべきでは… 、でも先生は一つでと言ってるし…」と逡巡し迷いが生じ、結局そのうち飽きてやめてしまう。
なんて事がありそうです。
そんな不安を見透かしたように、「英単語の語義は一つに絞る」の後で「2つ意味を覚えるべき単語は10個に1個もない」としています。
こういう感じの事は、山の頂に上った側からしかわからないことですし、こんな細かいことまでということではあるけど、学習中に迷いが生じて、挫折しやすい人には嬉しいですよね。
英語学習に欠かせないmp3プレイヤーの項目では「ワンタッチリピート機能」に関して
この機能、この原稿を書いている時点で販売されているmp3プレイヤーの中では、アイリバー社の一部のMP3プレーヤーが「学習機能」という名前で備えています。
ICレコーダーではオリンパスの製品が「ちょっと前再生」という名前で、ソニーの製品が「イメージサーチ」という名前でこの機能を備えているものがあります。現在のICレコーダーはMP3機能も兼ねているのでおすすめです。
と、丁寧です。
同様に、
・おすすめの英語で簡単に読める著名ビジネス書リスト
・DVDから音声を抜き出す方法
・おすすめ海外ドラマ
など、英語学習には関係あるけど、深入りしして調べるのが面倒という事も丁寧に解説しています。
また、個人的に非常に好感が持てたのが「例文暗記」の項目で
・どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
を紹介していたところ
このどんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)は2006年10月に出版と、比較的新しい本ですが、いいものはどんどん取り入れようという著者の姿勢に好感が持てます。
普通なら、業界内外からの評価の実績がある無難な本を紹介するところですが、こういう新しい本も積極的に紹介するところがいい感じ。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)を紹介すると、英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法に流れる人がいるかもしれない」
などと、セコイ事を考えないところがいいですね。
そんなセコイ事を考えるのは私だけかもしれませんが…
最近、英語の勉強は、語彙数を制限した本の多読(でも、ちびちび読んでるので多読ではないかも)しかやっていないけど、やはりちゃんとした発音を意識しないで、カタカナ英語で読んでるので流れるように読めないのかも。
黙読してるけど、言えない単語があるとやはりつっかかりますね。
それぞれの英語の習熟段階によってこの本の必要度合いは違うかもしれませんが、英語指導とコーチとしての実績、そして細かいところまで親切に書いてある良書と思いました。
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