「思い出す」という事は「発想する」ことと脳の中では同じ事

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三日ほど前に、録画していた勝間和代さんと茂木健一郎さんが出演していた番組を見ました。
茂木健一郎さんが、いきなり前振りもなく作業や仕事を始める「タイガージェットシン式仕事術」なるものを紹介していましたが、勝間さんはあまり、タイガージェットシンに興味がないようでした。
せっかくゲストにケンドーコバヤシさんも出演していたのに、あまりスイングしてなかったような…


それは、さておき興味深かったのが、茂木さんが言っていた「思い出す作業というのは、発想するのと同じ事」という部分。
スタジオで、ゲストの方に子供の頃の部屋の絵を思い出してスケッチさせて脳を活性化するというコーナーの中の一言です。

今年に入り、日記を毎日つけていますが、たまに忘れることがあって、二日前の出来事もほとんど思い出せないときがあります。
二日前の夕食のメニューとか突然思い出そうと思っても結構難しい。

そういう時のことを思えば「思い出す作業というのは、発想するのと同じ事」というのも、なんとなく納得できる。
「アイデアをひねり出す」という言葉がありますが、二日前の夕食のメニューを思い出すときもまさに「ひねり出す」という感じ。実際体験したことなのに変ですね。

今日読んでた、「動的平衡」にも、関連するようなことが書いてありました。
第一章 「脳に掛けられたバイアス」 P36より引用

ここに記憶というものの正体がある。人間の記憶とは、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく、「想起した瞬間に作り出されている何ものか」なのである。
つまり過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいものではなく、今、懐かしいという状態にあるに過ぎない。
ビビットなものがあるとすれば、それは過去がビビットなのではなく、たった今、ビビットな感覚の中にいるということである。
私たちが鮮烈に覚えている若い頃の記憶とは、何度も想起したことがある記憶のことである。あなたが何度もそれを思い出し、その都度いとおしみ、同時に改変してきた何かのことなのである。


この、前段に「脳に限らず、人間という物質は常に生まれ変わっていて(栄養を摂取し、排泄している)同じ状態にはない。にもかかわらず、記憶は保持される不思議ですよね」という話もあります。

これらを踏まえれば、記憶している嫌な出来事というのも、思い出すたびに、わざわざ自分の中で嫌な出来事を再生産しているということになります。
出来事は、1回だけだったのに、100回位思い出して、自分の中で100回くらい再生産してるということもあるわけです。

「過去は変えられない」と、よく言いますが、現象としての事実は変えられないのかもしれませんが、それに対しての印象や反応は自分自身で選択することが可能です。

「あんなことを思い出すたびに嫌になる」という言葉も、実は思い出しているというよりは、そのときそのときで自分の脳の中で、嫌な思いを発想し生産してるんですね。怖いですね。
そして、さらに記憶をある方向に定着させていると。

逆に「死ぬほど嫌な思い」というのも、うまくすれば、いい方向に発想できるのかもしれません。

「だからツイてる!」とか「ちょうど良かった」とか無理矢理言えば、これも人間の習性で無理矢理に理由付けをしてくれるでしょう。

毎回毎回、嫌な思いを自分の中で生み出して生産するよりは、脳の衛生上もよろしいのでは。多分だけど。

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