新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

4月の発売と同時に購入して、何度も読み返してるので、既にボロボロになりそうな一冊。
「日本語版WIRED」や「雑誌日刊サイゾー」を創刊し、Webでは「Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)」や「ライフハッカー[日本版]」などを立ち上げた小林氏が語るメディア論。

単行本、雑誌などの紙媒体とWEBの両方にまたがり、多くの人気メディアを立ち上げた著者が語るメディア論は興味がそそりますね。僕も、自分でブログを運営しているので興味津々でした。

ツールがコモディティ化し、ツール・機材に関してはプロとアマの差が無くなってきた現在。デジカメなどもプロが使う機材とハイアマチュアの機材では機能的にはほとんど差が無くなってきましたね。

同じ機材を使ったときに、「さすがプロ」となるか「実は、既得権にあぐらをかいていた」となるかは、それぞれかと思います。しかし、「仕事だからいやいや給料分やるプロ」と「無給でも執念をもやして、寝ないで作業にいそしむアマチュア」だと、結構良い勝負になるのかもしれません。情熱だけでは越えられない壁もあるかもしれませんが。

本書で随所で強調されているのが、コミュニティの重要性。何度も出てきますが、一部を引用すると
p022


特定の読者に対して情報を提供し、コミュニティを組成し、そのコミュニティに価値が宿るのではないでしょうか。

p056


前述のジャービス氏は「雑誌の価値は編集者でも記事にあるのでもなく、それは雑誌を取り巻くコミュニティであると言います。

過去自分が愛読していた雑誌を降り返ってみて、なるほど!と思いました。


さて、ブログを運営している僕が興味があったのは
Lecture 08とLecture 09の「名もなき個人がメディアの成功者になるには?」の部分
この部分は、すでにブログなどを個人で運営していたり、これから運営しようとしている人には必見ですね。

さて、その中で
p098

基本的には、新しい技術を用いているだけで、優位に立つことが可能です。これは、後出しじゃんけんのようなものなので、常に新しい技術の方が機能的には旧来のものより秀でている可能性が高いのですが、ハイプ(誇大宣伝)だけで、マジョリティを獲得できないまま終了するトレンドは確実に存在します。

とあります。

最近、TumblrTwitterがだいぶ流行して、活用されている方も多いと思います。これらのツールでも、すでに多くのフォロワーを抱えている人たちがいます。これらのサービスが今後どうなるのかは、わかりませんが、多くの方々の目に届くようになったときに、すでにフォロワーをかなり持っていると言うことはかなり有利ですね。

新しいツールを使うということは、別にデメリットもないので、私もどんどん積極的に活用していこうと思いました。

ちなみに、僕はtwitterもskypeもIDはseikoubonです。

刺激とヒントに満ちた一冊です。そして、単なる評論家や思想家が書いた本ではなく、実践してる人が書いているのがいいですね。

さて、本当はもっと色々書きたいこともあったのですが、ちょっと押さえた感じで書いています。
というのも、今年初頭からギズモードジャパンの翻訳のお手伝いなどをさせていただいてるから。
身内だからほめてると思われるのもナニなので。
giz_screen.jpg(44040 byte)
brother_gizmodo.gif(4482 byte)
Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン), ガジェット情報満載ブログ

最近、携帯電話にも対応しました!
ギズが携帯で見れるようになったよ! な、なんだってー! : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン), ガジェット情報満載ブログ


あと、本書をより深く理解するためのリンク集が
『新世紀メディア論』をもっと深く読むためのレファレンス : ライフハッカー[日本版], 仕事も生活も上手くこなすライフハック情報満載のブログ・メディア
に、あります、合わせて閲覧するとより理解が深まると思います。


4862381294
新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に (単行本)
小林弘人 (著)

新聞社の業績不振、雑誌の相次ぐ休刊など、メディア業界に逆風が吹き荒れるなか、出版はこれからどうなっていくのか?
新聞、雑誌はウェブ時代においてもはたして生き残れるのか?
インターネット登場以前からコンテンツ製作に携わり、雑誌『ワイアード』『サイゾー』、ウェブの人気媒体『ギズモード・ジャパン』を創刊、眞鍋かをりら有名人ブログ出版をプロデュースしてきたITメディア界の仕掛け人・小林弘人が、世界のウェブメディア最先端情報を紹介しつつ、今後メディアビジネスで成功するため必須のノウハウをおしげもなく公開。
福音か、はたまた最後通牒か?次代メディアの運命を左右する衝撃の書。
これを読まずして出版、メディア人は生き残れない。

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