アメリカCEOのベストビジネス書100

アメリカのビジネス書の名著集です。監修はビジネスブックマラソンで、おなじみの土井英司さん。

本書の特徴は、真に実践的である書籍を厳選しているということでしょうか。 CEO向けということで、大所高所から見下ろしたような高尚なものを安易に入れるということを良しとしていない。 たとえば、ビジネスマンなら当然読んでおくべきであろうが「国富論」や「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」などは入っていない。

その一方で有益とあれば、「ゲリラマーケティング」のような、文字通りゲリラ的な本も入っている。

また、本書の特徴としては、翻訳書のブックガイドということで、当然原書のタイトルもそれぞれ掲載されていますが、それが各項目の先頭の非常に見やすい位置にあります。
日本語のタイトルと英語のタイトルが違いすぎる場合などに「あれ?」となりますが、「なるほど、原書のタイトルはこうだったのか」という楽しみもあります。また、原書の表紙も掲載されているので、日本語版との装丁の違いの比較も楽しかったり。

たとえば、僕の周りでも、「ビジョナリーカンパニー2」を勧めくださる方が結構多いのですが、「なんで中途半端に2を勧めるんだろう?」と思ってましたが、本書を読んで原書は「ビジョナリーカンパニー」と「ビジョナリカンパニー2」とは別のタイトルだと気がついたり。


また、日本だとなにかの都合であまり売れなかったり、すぐに消えたような本もそういう事情などとは関係なく載っているので嬉しい。

たとえば、(と、悪い例で出すのも恐縮ですが)

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LEAP! (単行本)

↑これタイトルを見て、なんの本か全然わからなかったけど、「究極のリーダーシップをフィクションで説いた一冊」愛(love)、エネルギー(energy)、大胆さ(audacity)、証(proof)でLEAPなのか。

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The Story Factor: Inspiration, Influence, and Persuasion through the Art of Storytelling (ペーパーバック)

あと、同様にベスト100に入っている「The Story Factor」のAnnette Simmons の新作が日本だと、日本だとあまり売れてなさげだったり。


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感動を売りなさい―相手の心をつかむには「物語(ストーリー)」がいる。 (単行本)
アネット シモンズ (著), Annette Simmons (原著), 柏木 優 (翻訳)
幸福の科学出版 (2008/04)

そういう、日米の人気の違いも面白いですよね。

本書の中紹介されている100冊の中で、日本語に未訳な書籍やだいたい15冊くらいありました。100冊のうち、85冊は日本語で読めるわけですね。これを「8割以上も日本語で読める!幸せ、日本最高!日本語最高!」とみるか「ベスト100に入っているような書籍でさえ、全部読めるわけではない。やはり英語が必要だ。情報格差だ!鎖国状態だ!」は、人それぞれと思います。

僕は、「できれば英語でも読みたいなあ」と思います。もちろん、思うだけです。


ビジネス書好きな人なら、紹介されてる本の最初の5冊のリストを見ただけでも思わずにやりとしてしまいそうな本です。


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アメリカCEOのベストビジネス書100 (単行本)
ジャック・コヴァート (著), トッド・サッターステン (著), 土井 英司(「ビジネスブックマラソン」編集長) (監修), 庭田 よう子 (翻訳)

「デキる人が30歳までに読んでいるビジネス書はこれだ!」......土井英司(「ビジネスブックマラソン」編集長)

『エクセレント・カンパニー』『7つの習慣』『ビジョナリー・カンパニー2』『経営者の条件』『人を動かす』『トヨタ生産方式』『リーダーになる』『マネー・ボール』『イノベーションのジレンマ』『販売成約120の秘訣』『ティッピング・ポイント』『ストレスフリーの整理術』『チェンジ・リーダーの条件』『プロフェッショナルの条件』『イノベーターの条件』『ザ・ゴール』......数多あるビジネス書から厳選された、マスト・リード(読むべき)100冊!

新入社員から経営者・CEOまで、この本がビジネスを変える、あなたを変える!

●本文から
11000。これは、2007年にアメリカで出版されたビジネス書の数だ。1冊ずつ積み重ねたら、9階建てのビルの高さに相当する。この9階建ての紙の塔に詰まった8億8000万語をすべて読むには、6年半かかる計算だ。この紙の塔のどこかに、あなたが現在抱える仕事上の問題の解決策が秘められている。
ビジネス書を購入する理由で一番多いのは、問題の解決策を見つけるためという調査結果が出たそうだ。およそ20ドルと2時間半の時間を費やすだけで、優れたビジネス書から高品質の提案が得られる。だが、ビジネス書にはそれ以上の価値がある。もしその気があるのなら、ビジネス書を読めばあなたは変わることさえできる。
とはいうものの、このような珠玉の作品を見つけるのは難しい。新刊が次から次へと世に出されるなかから逸品を見分けるためには、フィルターが必要になる。その解決策が、本書なのである。(まえがきより)

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