404 Blog Not Foundの小飼弾さんによる新書のすすめ。
小飼さんの新書好き、新書持ちは有名ですが、僕も絶版になった講談社ブルーバックスで必要な本があったら、古書店や図書館を色々探すより、まずは小飼さんのお家に行って探すと思います。
そんな、小飼さんによる愛のある優しさに満ちた一冊。
その優しさは、場合によっては伝わりにくいものもあり、その辺は誤解を生むかもしれませんが、間違いなく後々感謝することになります。
例えば、本を買う時のアドバイスとして
本棚を持っていない人は、本より先にまず本棚を買ってください。
という至極真っ当な意見。これは、なかなか伝わりにくいかもしれないけど、本当です。
「新書は薄いし、判型も決まってるので整理しやすいだろう」と思ってると痛い目にあいます。
2400円の本を買うときは躊躇して悩んで後からも結局買わないことはあるかもしれないけど、その間に800円の新書を3冊買うというのはよくあること。
僕自身も、ちょっとした時間が空いたときに書店に入って「とりあえず一冊」というときに、新書に手が伸びるケースが多く、気がつけばどんどん、どんどん新書がたまっていきます。
また、時々古本屋さんになんとなく行ったときにも、少し前にベストセラーとなった新書が安く売っているケースが多いので、そういうのにもついつい手が伸びて、また新書が増えていくことに...。
というように、新書は本当に恐ろしい勢いで増えていきますよ。
定番と言われるような新書でもブックオフなどに行けば100円で買えますからねー。5000円あれば、50冊買えるのでしばらくは読む本には困らないんじゃないかと。
そこで、役立つのが本書のPartⅢの「新書レーベル滅多斬り!」
ほとんどのブックガイドなどではどうしても人文書偏重という感じもありますが、本書の場合は理科系のレーベルや本にももちろん多数言及されてますので、その辺は新鮮味があります。
僕自身、大学受験するときに物理の勉強のモチベーションが一番上がったのは
・物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) (新書)朝永 振一郎 (著)
・物理学とは何だろうか 下 岩波新書 黄版 86 (新書)朝永 振一郎 (著)
という新書のおかげだったことをふと思い出したり。
このPartⅢの「新書レーベル滅多斬り!」の「このレーベルのこのシリーズにはハズレ無し!」は暗記して覚えておきたいですね。書店にとりあえずブラッと行ったときに非常に役に立ちそうです。
あと
よく「子どもが本を読まない」と嘆く人がいますが、そういう人に限って家に本棚すらなかったりします。自分に読書週間がないのに、子どもが本を読むようになるわけがない。
は、5歳と2歳の子どもがいる僕も同意します。
僕も、家で本を読んでいる時間が比較的長いのですが、2歳と5歳の子どもたちの両方とも
・食事しながら足下にわざとさりげなく本を置いておき、その本の表紙を母親の目を盗みチラチラと読む。
・食事は自分の本棚が見える位置に座り、自分の本のコレクションの背表紙を見て悦に入る。
という技を会得しています。しつけとしてはいかがなものかと思いますが、自分もやっているので子どものことはあまり叱ることができません...。
あまり、本を読んだことのない人には面食らうような記述も多いかもしれませんが、「その先にある世界」を体験してみるのもいいんじゃないかと思います。
本書を読んで、あらためて
・「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書) (新書)
・知的生産の技術 (岩波新書) (新書)
梅棹 忠夫 (著)
・知的生活の方法 (講談社現代新書 436) (新書)渡部 昇一 (著)
・考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327) (新書)板坂 元 (著)
・発想法―創造性開発のために (中公新書 (136)) (新書)川喜田 二郎 (著)
・理科系の作文技術 (中公新書 (624)) (新書)木下 是雄 (著)
・「超」文章法 (中公新書) (新書)野口 悠紀雄 (著)
などを安価にどこでも入手できる状況に感謝ですね。古本屋さんなら全部買っても1000円くらいかな。余裕のある方はもちろん新しいものを書店で。
本当に、困窮してる方には大きめの書店に行くと各新書レーベルの目録も置いてあるので、それを読むだけでも「この時代にはこういうテーマの本が出てたんだあ」とか結構勉強になるし楽しいですよ。
それと、本書に書いてない新書(ソフトカバー)のメリットして、仰向けに寝転がって本を読んでいるときに、本を落としても顔面へのダメージが少ないということがありますね。あれは痛い...。
新書がベスト (ベスト新書) (新書)小飼 弾 (著)
新書も読まずに本を語るな!
もはやウェブ抜きの読書はありえない時代、これまでどおりの読書では、たちま
ち情報弱者になってしまいます。本の選び方に正解なんてない。全部読もうとし
なくていい。コツをつかんで「たかが読書」と思えるようになれば、知的レベル
は自然と上がっていくのです。そこで最適なのが、新書。どんどん「つまみ読
み」して脳内マップを広げれば、他の本なんて読まなくても十分です。
――絶大な影響力を誇る書評ブロガー・小飼弾が教える、ゼロから身につく読書習慣。序章 生き残りたければ、新書を読め
PartI 新書の買い方、読み方
PartII 新書を10倍生かす方法
PartIII 新書レーベルめった斬り!
終章 新書と電子ブックの未来