「有名書店に著作を並べる」と言われて自費出版社を提訴した元大学教授の本

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自費出版をめぐるトラブルのニュース

元教授ら自費出版「新風舎」提訴、一部書店しか本出回らず : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「出版された書籍は全国800の書店で販売される」などのうたい文句で自著の出版を勧誘され、出版費用をだまし取られたとして、元大学教授らが4日、大手自費出版社「新風舎」(東京都港区)に、計約763万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 訴えたのは、滋賀県長浜市の元大学教授、吉田龍恵さん(77)ら3人と1法人。

 訴状によると、吉田さんらは2002年10月から今年2月、自著の出版契約を同社と結び、約195万円~約99万円を支払ったが、実際には一部の書店でしか販売されなかった。同社は書店への営業活動をほとんど行わず、原告側は「書店に陳列されない可能性を故意に告げず、詐欺にあたる」と主張している。

有名書店に並ぶはずが…自費出版大手を提訴、著者の会社員ら:NIKKEI NET(日経ネット)
asahi.com:自費出版でトラブル相次ぐ「本屋に並ぶと思ったのに」 - 文化・芸能

私は出版の業界にも詳しいわけでもないし、もちろんこの件の詳しい契約内容など知る由も無いのですが、一般的な商慣習では自店に並べる品物は個々の書店の判断にゆだねられるのではないのでしょうか?
コンビニとかホームセンターのような業態なら商品を並べる位置まで本部からの指示を受けていると思います。
しかし、書店の店舗において出版社からの「俺の会社の本を並べるんだ!」という拘束力があるとは思えない。
ということで、そもそもこの「全国の書店に並ぶ」ということが出版社の側で実現可能なことなのかどうか…


なんかこの著者の裁判に向ける怒りのパワーと時間と費用を、自著の営業活動に向けたほうがよっぽど生産的なような気がするのですが…

怒ってないで、笑顔で書店周りでもした方がいいのでは?と思ってしまいます。

しかし、著者は元大学の教授ですからお堅い本で、営業活動には不向きな本なのかもしれませんね。

ということで、どんな本なのか気になって調べてみた。

著者の名前は「吉田龍恵」さん。


Amazonで検索してみるとありました。タイトルは「世界けんか独り旅」

世界けんか独り旅
世界けんか独り旅

日本人よ、欧米人によけいなコンプレックスを持つ必要はない。世界各国で遭遇した不愉快な出来事に、正々堂々真っ向勝負!自ら実際に体験した事例を紹介し、欧米人に対する誤まった認識を正す。

第1章 とにかく腹が立ったこと!(日本のスチュワーデスなら…(エジプト‐カイロ)/チュニジア人の性格×3(イタリア‐ローマ、チュニジア‐チュニス) ほか)
第2章 マナーは悪いし生活態度は自己本位!(私の経験した人種差別(全米各地)/この感情を是非公表―敵がい心を育んだ町(アメリカ‐テキサス州) ほか)
第3章 信用してもいいですか?(この原稿を書く動機(アメリカ‐アイオワ州)/繁華街には要注意(ギリシャ‐アテネ) ほか)
第4章 公共的機関の亡国的実情(世界旅行中、最も腹が立ったこと(アメリカ‐テキサス州)/TO JAPAN―「英語は世界語」という、うぬぼれ(アメリカ‐テキサス州) ほか)
第5章 能率的に。誠意を持って!(最も腹が立ったこと―二番目(アメリカ‐イリノイ州)/世界で最悪?(イタリア‐ローマ) ほか)

吉田 龍恵 米国ビジネスコミュニケーション学会国際委員会副委員長、米国アイオワ州立大学客員教授、滋賀県社会教育委員連絡協議会副会長、長浜ユネスコ協会会長、放送大学滋賀学習センター所長、滋賀県視覚障害者福祉協会理事、等を歴任し、現在、滋賀大学名誉教授、滋賀県民共済生活共同組合理事長、社会福祉法人悠悠会理事、真言宗豊山派舎那院住職、滋賀県盲教育後援会理事を務める

楽天ブックスにもあった!



世界けんか独り旅:楽天ブックス


Yahoo!ブックスにもあったよ!
世界けんか独り旅 / 吉田竜惠/著 - Yahoo!ブックス


なんか本の内容も怒ってるっぽいですね。自分の怒りをみんなに知って欲しくて本を出す人だったら裁判くらいするだろうなぁ

しかし、この著者は、色々ご歴任のようですから、そちらの方に半強制的に割り当てするだけで、かなりの数をさばけそうなするのですが…
Amazonや楽天ブックスやYahoo!ブックスにも並んでるので、自分の頑張り次第で売れると思うけどなぁ(今よりは)。


ところで、こんな事で裁判なんてやって有名になると
「自費出版会社ですか?!あれは一番たちが悪い。よりによってあそこに引っかかったんですか。あれは一番の悪徳業者ですよ。
 先生のような立派な方の本はインターネットで世界に向けて販売するべきです。これを販促しない事は文化的な損失です。
 今ならネットで展開していくだけでも、先駆的な試みとして話題になりますよ。普段はこれだけ親身になってはやらないのですが、
 先生の著書に惚れました。ぜひ、私どもにネットでの展開をおまかせください。まずは着手金のほうを…」
という変な輩からコンタクトがこないか心配です。


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