ビジネスマンのための「数字力」養成講座

ビジネスマンのための「発見力」養成講座」やテレビでもおなじみの小宮一慶さんの新刊。


サブタイトルの「これで、もっともっと見えてくる」は伊達ではなかった。
本当に見えてきた。(詳しくは後述)

最近、フェルミ推定なるものが話題です。
「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」や、「日本全国に電柱は何本あるか?」といったあれですね。

本書でも、ある数字を手がかりとして知りたい数字を推論する方法が紹介されています
例えば、演習問題で出てくるのは


・わが国の1年間の書籍の売上高は?
・携帯電話通信会社大手三社の年間売上高の合計は?
・日本中の車の数は?
・コンビニで、一人一回あたりの平均買い物額は?

などの問題。

知らなきゃ絶対答えが出せないような問題ばかりですが、この本の例題を解いていく過程を読めば、基本の数字が分かっていれば自分でもなんとか出来るようになると思います。

ちなみに例題は「社員数50人の会社の平均の売り上げは?」です。
そんなのわかるか!という感じですが、実は「日本の人口」「GDP」「労働分配率」から簡単に計算できます。
どれも、概算ででも把握しておくべき数字ですから、やり方を知ってるか知らないかの問題ですね。


しかし、概算で把握していると危険な数字も結構あって、例えば「合計特殊出生率」です。
これなんかは、数十年という単位で累乗していったりするので、小数点以下二桁の数字が変わるだけでもかなり変わる。

なので、その数字がどんな時にどのように使われるかを把握しておかなきゃですね。

同様に重要なのが言葉の定義
例えば、「日経平均株価」と「TOPIX」の違いが説明できるでしょうか?
「売上原価」と「製造原価」の違いは?など。

元々の定義を間違って覚えていると、後々の計算も全部おかしな事になるので要注意ですね。

例えば、「アフィリエイトで○○儲かった」なんて話も、単なる報酬の受取額なのか、かかった経費も考慮したものなのか、自分の作業時間も考慮したものなのかなど吟味する癖をつけたいですね。

あと、「自分の会社の売上高」や「自分の払った税金の額」を知らないという人が多いという事が書かれていましたが、結構いい意味でも悪い意味でも驚き。
知らなくても生きていけるなんて幸せな社会だな、と思ったり、税金の額を知らなきゃ計算間違いされてても分からないのでは?と、思ったり。
私は、結構電気料金や水道料金の計算もたまにやったりします。エクセルの勉強にもいいですよ。


さらに、驚いたのがこの本の本質の話とはちとずれますが、年金5,000万件のミスの話。
私はこれはほとんどのデータが違ってるのだと勘違いしてました。
日本人の人口が1億3千万弱ですから、概算で2人に1人位は間違っているのではないかと。
しかし、どうも著者の小宮さんの推測では、1億人分のデータに40年分、そして払ってる途中の人もいるのでざっくりとその半分、計算すると全データは概算で480億件くらいではないかとしています。

480億件のうちの5,000万件だと約0.2%、私が最初に推測した50%のデータが間違っているというイメージと大分違ってきますね。
もちろん、だからたいしたことがないというわけではありませんが、経歴が面倒な人もいるでしょうし、間違うこともあるのかなと。

これも、やはり元の言葉の定義をきちんと把握していないから勘違いした事例ですね。恥ずかしい。


序盤は、このように数字を推測する方法が紹介されていますが、後半になるとさらに応用編という事で自分なりの指数を作る方法も紹介されています。

近年、インターネット等の発達により、各種統計数字等の数字そのものは入手が簡単になりました。
その反面、「知らなくてもググればいいや」みたいな感じになって、自分でものを考えることが相対的に少なくなったような気がします(当社比)。
情報の入手が簡単になった分、その浮いた時間をものを考える時間に当てなければならないのになにをやってるんだろう?
振り返れば、Wikipediaとか、便利で面白すぎて危険ですね。気がつけば、最初になにを調べていたかを忘れるくらいにかけ離れたページを見ていることもしばしば。反省しよう。


あと、冒頭で

サブタイトルの「これで、もっともっと見えてくる」は伊達ではなかった。
と書きました。
本書では、統計の数字のところで、ちょくちょく日経新聞の月曜版の景気指標の欄の話が出てきます。
私も日経新聞読んでるはずなのに、「そんなのありましたっけ?」という感じでした。
基本的に、全ページめくってるはずなのに…


本書でも

数字を把握する力の前提としてまず必要なこと、
その答えは「関心」を持つことです。

と、あります。


「私は数字にはどうも弱くて」と言う人も、実は数字に弱いのではなくて関心が無いだけかもしれません。

関心を持てと言われても、いったいどこから手をつければ…
と、言う方にも、本書の巻末には

これだけ知っていれば世界が見える!会社が見える!
最強ビジネスマン必須マクロとミクロの数字20

という非常に便利なリストが掲載されています。

その辺の数字と自社や業界の数字と照らし合わせて色々やると面白そうですね。


余談ですが個人的に結婚生活で大事な数字は、「結婚記念日」と「パートナーの誕生日」でしょう。
他に、洋服のサイズや指輪のサイズなども知っておくと便利そうではあります。
しかし、奥さんの体重の経年変化をグラフで表したり、隣の奥さんと比べたりするのはやりすぎです。
世の中、数字で把握しない方が幸せなこともあるかもです。


とは、いうもののビジネスの世界では数字を元に現実を直視し未来を作り上げていかなければいけません。
数字が分からなければ、現状も把握できませんし、未来への目標も作れませんからね。

また、意地悪い感じですが、社長や上司や取引先などがどの程度数字に強いかを計って、会社の先行きを判断するのにも使えるかも。

ビジネスマンのための「数字力」養成講座
ビジネスマンのための「数字力」養成講座小宮 一慶 (著)
GDPから自分の会社の売上げ、野立て看板の数まで、数字の表すものやさまざまな数字との関連を読み解いていくさまは、推理小説よりおもしろい! といっても、本書は、それを読んで楽しみ、単に知的に遊ぶためのものではない。
数字を読むための7つの基本、5つの習慣、そして、陥りがちな罠と、豊富な実践例とともにお届けする本書は、読者が数字を自在に扱い、ビジネスに必須の把握力、発想力、推定力、目標達成力を身につけていくための、あくまでも実践の書なのである。


第一章 「数字力」で世の中の見え方が変わる!
第二章 「数字」の見方 七つの基本 
第三章 数字力を阻害する六つの罠
第四章 数字力が高まる五つの習慣【あなたはわかる? この数字】
・日本の人口
・日本の労働人口
・日本の今年の国家予算
・日本の現在の財政赤字
・日本の国内総生産(GDP)
・自分の会社の売上高
・業界全体の売上高
・自分の時給
・日本中の車の数
・コンビニ1人1回の平均買い物額
・日本の年間書籍売上高

ビジネスマンのための「発見力」養成講座
ビジネスマンのための「発見力」養成講座小宮 一慶 (著)
セブン-イレブンのロゴ、最後のnが小文字なのが見えていましたか?
小金井カントリークラブの相場から、あなたは何を見ますか?
女子高生のルイ・ヴィトンから、あなたは何を見ますか?
発見力を磨くには、
まず、自分には見えていないものがある、
分かっていないことがあるという意識がとても大事です。

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