勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─

4月の初旬に出た本です。
ちょうど発売時に新年度だったので、はりきって仕事に生かした方も多いのでは、皆さん儲かりましたかー。

本書では、帯にも書かれているように、利益の方程式を

利益=(顧客当たり単価 - 顧客当たり獲得コスト - 顧客当たり原価)×顧客数

としています。
ここに出てくる変数は4つ。

常に自分の今の作業がどの部分に効いてくるのか意識ながら仕事すると効果的ですね。
たとえば、必要以上にクオリティを上げると、顧客当たり原価に響いてきます。そしたら、顧客当たり原価が上がるので、単価は上げなきゃないし、顧客数が減るかもしれない。顧客当たり獲得コストも上がるでしょうね。
そんなわけで、よかれと思ってやっているクオリティを上げるという仕事が、実は儲けを圧迫してるかもしれないという罠。

もちろん、モノがあふれてる現代では粗悪品は売れないでしょうが、考え方として覚えておく必要はあるでしょう。

私は商売をやっている家に育ったので、比較的「儲け」とか「利益」とかいう言葉には抵抗がありません。しかし、中にはそれらに無頓着ならまだいいですが、逆に罪悪感を抱く方もいらっしゃるようです。だましたり、顧客の無知につけ込むのは許し難いですが、お互いが気持ちよく商売できるならありがたくいただいておきましょう。

また、儲かることにより発言権を増すことができるという効果もあります。著者の勝間さんは最近、印税の一部を途上国に寄付をするというchabo!という活動をしています。
Chabo!(チャボ)- 本で、もっと、世界にいいこと。

この活動は一人ではできることではなく、多くの関係者の方の協力によって成り立っていると思います。しかし、勝間さんがまったく本が売れてない人だったら、この活動の趣旨に理解を示す人はいてもなかなかスタートまでもこぎ着けなかったはずです。
そこは、やはり売れてる著者であるからこそ多くの方が賛同してくれたという部分もあるでしょう。
売れてなきゃ「途上国の心配するより自分の心配しろよ!」って言われて終わりでしょうね。

厳しいようですが、それがやっぱり現実でしょうね-。

だいたい自分にお金がなきゃ寄付どころではないし。

あと、本書とあまり関係ないかもしれませんが、「儲けること」と「金使うこと」と混同してる人が結構いますね。
たとえば、
「飲食店だけど、ちょっと店内が古くなってるんで改装しようと思ってるんです」
「チラシ配りとかポスティングのバイトを雇おうかと思ってるんです」
「業務の改善化をはかろうとOAシステムの一新をしようかと」
まあ、ありがちな会話で別に悪いことでもないような気もしますが、「それでいくら儲かるんですか?」というか「その前におまえの仏頂面と怠け癖をなんとかしろ!」と言いたくなりますね。とりあえず、まずは、自分自身に(w

また、本書のp68に「フレンチレストランのオーナーになったつもりで考えてみる」というシミュレーションがあります。おそらく勝間さんは、飲食店に入るたびにこういうシミュレーションをしてると思います。多分、街で見かけた新しい店とかも瞬時に計算してるんじゃないかな。

で、こういう計算を自然に毎日毎日してる人とやらない人では、毎日毎日の積み重ねで膨大な差がついてしまいます。

理論も重要ですが、こういう実地の日々演習が重要ですね。
それと、多変量解析とかはまると面白いですよ。そこまでいかなくても、標準偏差や相関係数くらいは使えないと統計や仕事の数字見てても面白くないですよね。
どういう風に使うかは詳しくは本書にて。

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─
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勝間さんのこの本がやや難しく感じた人はこちらの本もおすすめです。
1日30分「思考力」エクササイズ “本当の仕事力”をみがく
1日30分「思考力」エクササイズ “本当の仕事力”をみがく秋山 ゆかり (著), かたぎり もとこ (イラスト)

提案力、発想力、論理力、検証力、アウトプット力の5つの力を磨けば、
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経営コンサルタントとして活躍する著者が、身近な題材でこれら5つの力を磨く、
とっておきのエクササイズを伝授。
1日30分、すきま時間にトライしてみてください。
あなたの仕事力は格段に上がるでしょう

4コマ漫画が各項目についていて、新人ダメOLと先輩OLの掛け合い漫才が面白いです。


勝間さんと言えば、6月15日に新刊が出ますね。
そちらの方も楽しみです。

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
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本書では、ビジネスで一歩先行くための基礎的なものの考え方<フレームワーク>を、
1 論理思考力 2 水平思考力 3 視覚化力 4 数字力5 言語力 6 知的体力 7 偶然力
の7つに分類。それぞれの力を身につけるための3つの基本テクニックと、4つの実践方法について、
豊富な事例、勝間さん自身の経験をおりまぜ、わかりやすく解いています。

特に、「論理思考力」については、外資系コンサル等で多用される基本的なテンプレート21をカラーチャートにして掲載。
それに加えて、それぞれのフレームワークごとに勝間さんがお勧めする書籍もカラーで紹介しています。
まさに、勝間和代の「頭の中」、すなわち、その発想と、仕事の質・量・スピードの秘密をはじめて公開する貴重な1冊です!


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