勝間和代さんの新刊です。
まずは、厚い。google化の時も「厚い」と第一印象で思いましたが、今回も330ページ超のボリュームです。
ご存じのように勝間さんはベストセラーを連発しています。だんだんネタが尽きるとか内容が薄くなるとかが、世の常と思いますが、逆にだんだん厚くマニアックになっていきますね。恐るべし。
勝間さんのブログのコメント欄や、勝間さんの講演会に行った方などのブログを読むと、「フレームワーク」に興味がある方が多かったようですが、本書はずばりそのフレームワークがメインテーマです。
本書では「フレームワーク力」をつける7つの力
●分析
・論理思考力
・水平思考力
●統合
・視覚化力
・数字力
・言語力
●評価
・知的体力
・偶然力
を詳しく解説しています。
重要なのは、きちんと順番があることです。
分析があって、統合があって、評価がある。
本書では、ピラミッド型の模式図を使ってるのでわかりやすいですが、逆の順番はありえない。
論理的思考力や水平思考力が乏しいと、その上にのっかる視覚化力や数字力、言語力もそれなりになってしまいます。
まして、知的体力や偶然力はかなり寂しい結果になるでしょう。
きちんとした土台や準備ができていなければ、目の前に幸運が転がっていても気がつかないか、その幸運を100%生かすことは難しいでしょう。
なので、重要なのはやはり日々の鍛錬ですね。
勝間さんもこの本の中ですでに体系的に完成されている21のフレームワーク紹介していますが、その他にもオリジナルの
・それって本当テクニック
・組み合わせバリュー
・立体思考法
などの、フレームワークを持っています。
もちろんこれらも適当に考えたわけではなく、既存の枠に加え、さらに新しい知識や自分の経験をプラスアルファして生み出しています。
面白いのが、論理という曖昧なことを許さない事から始まって、徐々に段階が進んで行くに従って、直感やセレンディピティーや嗅覚などいわゆる人間的な方向へ進んでいくことですね。この辺、最初の方を読んだときに「当てずっぽうは最悪」と書いてありながら、最後はそっちの方向へ行くのが面白い。
もちろん、まったくの当てずっぽうと、キャリアが数十年の人の直感とは全然意味が違うということは、本書の中でも詳しく解説してあります。
ただ、直感で適切な解を得られる人と、論理でいちいち一から考えなきゃない人では、スピードが全然違うでしょうね。
以前、「ガチンコラーメン道」とか、そんな番組でラーメンの達人の佐野さんとか言う人が、ラーメンの採点をするときに、一次予選は匂いだけで採点してました。当然、審査される側は、「試食もしないで採点するなんて乱暴だ。せめて一口でいいから食べてくれ」と食い下がります。しかし、達人の佐野さんは「まずい匂いで、うまいラーメンなんてあり得るのか!うまいラーメンは、いい匂いがするものだ!」と言っていました。
私も、意志決定を早くすべくさまざまな力をみがいていきたいと思いました。
ビジネス書も匂いで選べるといいのですが…
どうしても、個人的な興味ではセレンディピティなどに興味がいってしまいがちですが、論理力はともかく水平思考力を鍛えないとな。
そう言えば、水平思考力の項目で、本書の中でエドワード・デ・ボーノさんが紹介されています。巻末におすすめの本で水平思考の世界―電算機時代のための創造的思考法 (1971年) (ブルーバックス)も紹介されてますが残念ながら絶版。
しかし、以前エドワード・デ・ボーノさんの本は誰かに紹介されて読んだような気がした。確か、以前百式(100SHIKI.COM) - 世界のアイディアを今日も明日も明後日も -の田口さんに、勧められたんだった。「会議が変わる6つの帽子」ですね。と、思ったらこれも絶版…。
俺は、勧められたときに買っておいて良かった。ツイてる!
逆に、本書の中で創造性の分野のパイオニアとして紹介されてる、アレックス・オズボーン教授の本は今年の1月に復刊していますね。創造力を生かす―アイディアを得る38の方法
それにしても、今回の勝間さんの本はカバーもカバーを外したときもかっこいい、中の図版も文章の組み方も洗練されている。ちょうど、本書の前に予習と思って、旧インディや年収10倍アップ勉強法を読んだけど、同じ出版社とは思えない。しかも、10倍アップ勉強法にいたっては1年くらいしか経過してないのに。昭和と平成くらいイメージがちがう。でも、パッと見てなんの本かわかるのは10倍アップ勉強法の方かな。
そして、今更ながらに旧インディの表紙の一番左の行の「ナチュラル&インディペンデントな生き方 実践ガイド」の「インディ」の字がピカピカしてることに気がつく。そしてその中の「デ」の字のものすごい小さい濁点にまでがピカピカしている。お手元に旧インディをお持ちの方は、ぜひお確かめを。
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
本書では、ビジネスで一歩先行くための基礎的なものの考え方<フレームワーク>を、
1 論理思考力 2 水平思考力 3 視覚化力 4 数字力5 言語力 6 知的体力 7 偶然力
の7つに分類。それぞれの力を身につけるための3つの基本テクニックと、4つの実践方法について、
豊富な事例、勝間さん自身の経験をおりまぜ、わかりやすく解いています。
無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
amazonから引用
編集者より
わたくし自身、今からでも、英語を勉強し直して留学できるかも、大学院行こうかしら、公認会計士って年齢制限あるのかしらと、つい調べ始めてしまいました。調べるだけじゃなくて、実は始めています。
1年後の今、この彼女(だよね、多分)が、どうしてるか気になる。
いかにして発想するか-。すべての人には閃きがある。「ブレーンストーミング」の生みの親が語る、創造的思考のすすめとアイディアを得る38の方法。 カーネギーをして「私が仕事を始める前に本書が読めていたらと思う。国中の大学でテキストとして採用すべきだ」と言わしめた名著。
【当ブログ内の勝間さんの本関連記事の一部】
・社会人版ドラゴン桜!?「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」:[俺100]
・英語学習の投資効果は1時間当たり2万円!「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」その1:[俺100]
・「バナナスタンドが時間管理につながる!」無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法 その2:[俺100]
・お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 勝間 和代 (著):[俺100]
・効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法 その1:[俺100]
・勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─:[俺100]
干場弓子
お待ちしておりました! 聖幸さん!
思えば、年収10倍アップ勉強法、このブログから火がついて、勝間さんのベストセラー連発が始まったのでした!
ただ、あの、弊社、しようと思えばいくらでも、上品にかっこよくできるんですけれど……やりすぎると売れないので、特に、無名の新人の場合、勝間さんの時は、タイトルも含めて、奇襲に出たという感じ。なかのあざといデザインもそうです。
著者が有名になると、いろんな可能性が、本作りについても、できるようになります。
それと、その「編集者」わたしです。まあ、セールストークということで…!? その後、ますます「社長業」が忙しくなり、やはり自分の□の勉強より、会社が利益を上げる実戦と経験に時間を投入!なんて、言い訳かしら?