問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門


「改善士」横田尚哉さんの約2年前に出版された『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ 』の待望の続編が出ました。
タイトルは『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門

ファンクショナル・アプローチとは、モノゴトのファンクション(役割、効用、はたらき、意図)などに着目して問題解決を図る手法です。
著者の横田さんはそれをわかりやすく「それは誰のため?何のため?」と表現することも多いですね。

この入門編では身近なものごとをファンクショナル・アプローチで分析しています。
「点字ブロック」「カフェ」「ウォークマン」「通勤」「ハンコ」「社内規定」「マニュアル」「ロゴマーク」「ホウレンソウ(報連相)」「ドライヤー」「リビング」「資格マニア」「スポーツクラブ」「フェイスブックとツイッター」「避難経路図」「学校教育」「道路拡張工事」
「河川改修」

それぞれ身近なモノゴトだけに逆に今さら考えることは少ないですが、本書のファンクショナル・アプローチによる思考プロセスを読むと「なるほど、そんな見方もあったのか」とあらためて気づかされます。

本書は、ファンクショナル・アプローチの思考のプロセスを学ぶ事を主眼としていますから、あえて回答例や改善策といったものは示されていません。改善策を示すことは本書のファンクションから外れてしまうのでしょう。


本書を読む場合にも、本書の効用を考えながら読んでみたいものです。

一回目は、本文中の「《○○》」で囲まれたファンクションな部分に注目し、FASTダイアグラムを常に参照しながら読む。
僕はiPhoneでFASTダイアグラムの図を写真に撮り、参照しながら読みました。ワイルドに図の部分のページを破いて参照してもいいかもです。本は綺麗に保存するのが目的ではなく、知識を習得するのが目的ですからね。
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(一回目に読んだときの参考図 iPhoneの画面が暗く撮影されてしまった...)


二回目は文章を参考にして、横田さんの作ったFASTダイアグラムを再構築するつもりで読む。読んでわかったつもりでも、自分でFASTダイアグラムを作ると読んでいたようで読んでいなかった部分がわかりますね。
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(2回目に読んだときの参考図 字が下手なので小さめに...)


三回目には、同じお題を自分の視点で見て分解したファンクションからFASTダイアグラムを作れるようになっているといいですね。僕は、まだやってないけど。


ファンクショナルアプローチの「○○を○○する」という文章は「名詞+他動詞」で表現されます。「身体を鍛える」というように。

慣れないとなかなか難しいですが、前著の「実践編」にその辺の詳しい解説があります。
まだの方は、入門編と実践編ご一緒にどうぞ。

前著と比較すると内容も文体も柔らかめになっています。本質に迫るアプローチや問題解決の手法には色々なアプローチがあるということが前著と新刊との比較でもわかりますね。


【参考記事】
ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ:[俺100]

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問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門 横田 尚哉 (著)


理論を体系的に紹介した前著『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』に対して、
本書『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』は身のまわりの18の事例を通じて本質に迫っていきます。

著者の横田氏は10年間で1兆円を超える公共事業を扱い、ファンクショナル・アプローチにより2千億円以上のコスト削減策を導きだしました。
そして、1万人を超える関係者にこの思考法を伝えてきました。
いまや、公共事業では知らない人がいないくらいに普及しています。
現在は企業に対して経営の改善を目的に、企業単位でこの思考法を教育し、伝授しています。
業界や業種を選ばず、適用できる手法として働きかけを始めています。

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ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ 横田 尚哉 (著)


本書は、ワンランク上の問題解決を実現するための「ファンクショナルなものの見方」を、
「準備」「分解」「創造」「洗練」の4ステップで実践的に解説します。

会議運営、就職活動、残業問題、プレゼンテーション、クレーム対応などのさまざまなケースを事例に、
巻末付録のワークシートを用い実際に手を動かしながら、生きた知識と具体的なノウハウが身につく一冊。

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