『フランクリン自伝』が重版(改版)されて活字が大きくなり読みやすくなりました。
いつの間にか『フランクリン自伝』を含む岩波文庫の定番書籍が改訂されて文字が大きくなって読みやすくなってました。ツイてます!
岩波文庫では主要書目を順次見直し,注やルビをつけ,活字を大きくしてゆったり組むなど,読みやすくするためのさまざまな試みを続けてきました.
今回は,岩波文庫のロングセラーで必備書目である10点をお届けします.
『フランクリン自伝』は、僕が「なにかおすすめ本を5冊教えてください」と言われたときに、かなりの確率でリストアップされる本ですし、逆におすすめ本に『フランクリン自伝』を入れている人はいい人だと思ってしまいます。
たつをの ChangeLogのたつをさんと最初にお会いしたときも『フランクリン自伝』をかばんに入れていたので、真っ当な人だと思いました。
・[を] ベンジャミンフランクリン入門書「筋を通せば道は開ける」
・[を] ベンジャミン・フランクリンの十三徳
・[を] フランクリン本
今回の岩波文庫の改訂では、以下の10冊の書籍が改訂されました。いずれも定番ですね。
ガリア戦記 (岩波文庫)
カエサル/近山 金次 訳
カエサル(前一〇二頃―前四四)率いるローマ軍のガリア(今のフランス)遠征の記録.現地から彼が送る戦闘の記録はローマ全市を熱狂のるつぼに化したという.七年にわたる激闘を描いたこの書物こそ,文筆家カエサルの名を不朽にし,モンテーニュをして「最も明晰な,最も雄弁な,最も真摯な歴史家」と賞讃せしめたものである.
パイドロス (岩波文庫)
プラトン/藤沢 令夫 訳
真実そのものの把握なしには真実らしく語ることさえ本来的に不可能であることを立証し,「哲学」の立場から鋭く当時の弁論術を批判したのがこの対話編である.本書はプラトンの代表作の一つであって,特に『ソクラテスの弁明』をはじめとする前期著作群を『テアイテトス』以降の著作に結びつけてゆく重要な役割を担っている.
哲学原理 (岩波文庫 青 613-3)
デカルト/桂 寿一 訳
近代哲学の祖デカルトが,狭義の哲学のみならず自然学をも含めた自己の広義の哲学大系を最も系統的に叙述した著作.本文庫版は原著の全四部のうち,第一部の形而上学と,物体の運動法則を説明した第二部の物理学的自然学の部分を収めた.綜合的「学」としてのデカルト哲学の根本思想がここに開示されている.
道徳の系譜 (岩波文庫)
ニーチェ/木場 深定 訳
著者が好んで用いた箴言の形でなく,論文の体裁で書かれた著作で,ニーチェの思想の構造,殊にその道徳批判およびこれに連関する独自の価値思想の理論的な筋道を捉えるのに最も役立つものである.「善と悪・よいとわるい」,「負い目・良心の疾しさ・その他」,「禁欲主義的理想は何を意味するか」の三編から成る.
善悪の彼岸 (岩波文庫)
ニーチェ/木場 深定 訳
ニーチェはキリスト教的道徳のもとに,また民主主義政治のもとに「畜群」として生きつづけようとする人々に鉄槌を下す.彼にとって人間を平等化,矮小化して「畜群人間」に堕せしめるのはこれら既成の秩序や道徳であり,本来の哲学の課題は,まさにこの秩序・道徳に対する反対運動の提起でなければならなかった.一八八六年.
この人を見よ (岩波文庫)
ニーチェ/手塚 富雄 訳
『この人を見よ』が書かれたのは一八八八年の秋,ニーチェ四四歳のときであり,以後彼は死の年まで十一年間を狂気の闇に生きることになる.この破天荒な自伝は,あらゆる価値の根本的転換を説きつづけたニーチェの全思想について自らなされた解明であって,われわれはこれによって彼の内面的全体像を把握することができる.
怪談―不思議なことの物語と研究 (岩波文庫)
ラフカディオ・ハーン/平井 呈一 訳
日本を終生愛してやまなかったハーン(一八五〇―一九〇四)が我が国古来の文献や民間伝承に取材して創作した短編集.『怪談』は俗悪な怪奇小説の類から高く抜きんでて,人間性に対する深い洞察力につらぬかれている.有名な『耳なし芳一のはなし』『雪おんな』など十七編の他に『虫の研究』三編を収めた.
フランクリン自伝 (岩波文庫)
松本 慎一,西川 正身 訳
雷雨中にたこを上げて電気と雷は同じものであることを発見したフランクリン(一七〇六‐九〇)は,科学者であると共に,出版業者,哲学者,経済学者,政治家であり,そして何よりもアメリカ資本主義の育ての親であった.本書はすぐれた人生教科書として多くの青年に影響を与えてきたが,アメリカ研究のための注目すべき書物でもある
水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)
フーケー/柴田 治三郎 訳
湖のような青い瞳,輝くブロンド.子供をなくした老漁夫のもとにどこからか現われた美少女ウンディーネは,実は魂のない水の精であった.人間の世界にすみ,人間の男と愛によって結ばれて,魂を得たいとねがったのだ.――ヨーロッパに古くから伝わる民間伝承に材をとった,ドイツロマン派の妖しくも幻想的な愛の物語.
愛の妖精 (岩波文庫)
ジョルジュ・サンド/宮崎 嶺雄 訳
舞台はフランス中部の農村地帯ベリー州.野性の少女ファデットが恋にみちびかれて真の女へと変貌をとげてゆく.ふたごの兄弟との愛の葛藤を配したこまやかな恋愛描写は,清新な自然描写とあいまってこれをサンド(一八〇四―七六)の田園小説中,屈指の秀作としている.主人公は少女時代の作者自身をモデルにしたものという.