「運」や「ツキ」といった、とらえどころのないものを科学的にまとめたのがリチャード ワイズマン博士の『運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則 』
この本は、百式管理人の田口さんも絶賛してます
この本は良いよねぇ、としみじみ思っちゃう本のまとめ - IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ
●運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則 (単行本)# 運がよくなる!
運がよい人を集めてその人達の特徴を「科学的に」まとめた本。一度読んでおくべき。
百式田口さんは原書の『The Luck Factor: The Scientific Study of the Lucky Mind 』から読んでたみたいですが、英語が苦手な僕は原書を買ったもののあえなく挫折。
でも、その後すぐに翻訳版が出たので読んでみましたよ。ツイてる!
【ブログ内記事】運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則:[俺100]
【ツイてる度テスト】角川書店:|| 運のいい人、悪い人 || 運を鍛える四つの法則 著:リチャード・ワイズマン博士
さて、その、リチャード・ワイズマン博士の新しい本が出ました。今度は「成功」を科学的に解明しようとした本です。
前作は「運」についての研究ですが、今回は「成功」ですから言及する分野は増えていますが、前作を踏襲して学術論文を根拠に心理学者であるワイズマン博士の解説が加わります。
言及してる分野や主な引用論文は下記の通りです。
●自己啓発
・プラス思考で幸福になれるか? ハーバード大学 ダニエルウェグナー
・宝くじで当たると幸せになれるか? ノースウェスタン大学フィリップ・ブリックマン
・人間の幸福感は遺伝子で決まるのか? カリフォルニア大学 ソニア・リュボミルスキー
●対人関係
・弱点はどの段階でさらすと好感度がアップするか? デューク大学 エドワードジョーンズ、エリックゴードン
・自分のミスを他人はどれくらい気にしているか? コーネル大学 トマス・ギロヴィチ
・助けを得るための最適な人数は何人か? アリゾナ州立大学 ロバートチャルディーニ
●イメージトレーニング
・「プラス思考」の実践者のダイエット恋愛成就が成功する確率 ペンシルヴァニア大学 トマスワッデン
・イメージトレーニングでテストでよい点を取れるか? カリフォルニア大学 リアンファム
・「ダイエット食品」を食べる人はむしろ太る オランダ ティルブルグ大学研究グループ
●想像力向上
・「集団思考」は想像力の欠如をまねく ケント大学 ブライアンミューレン
・暗示で行動は性向を変えることができるのか? オランダ ナイメーヘン大学 アド・ファン・ニッペンブルク
・モダンアートで想像力を引き出せるか? ブレーメン国際大学 イェンスフェルスター
●婚活
・ハードルを高くして「いい女」を装う術の効果について ハワイ大学 エレーン・ハトフィールド
・マニュアルどおりの会話をすると異性から最低の評価を下される エディンバラ国際科学フェスティバル
・大勢の異性から良く思われようとすると、逆に異性は逃げていく ノースウェスタン大学 ポール・イーストウィック
●ストレス解消
・大声で叫んだり、サンドバックを叩くことでストレスは解消されるか? アイオワ州立大学 ブラッドブッシュマン
・不愉快な体験のプラス面を書く効果 マイアミ大学 マイケル・カラック
・自分は健康だと思い込むと、健康状態は改善される ハーヴァード大学 アリアクラム
●結婚生活
・夫婦間で対話を重ねても、関係改善に効果無し ジョンゴットマンとワシントン大学
・夫婦で一緒にゲームをすることで、恋人時代の感情がよみがえる ニューヨーク州立大学 アーサー・アロン
・ぎくしゃくした関係は、自分たちよりダメな夫婦を思うことで改善できる。
●決断力
・意志決定を集団で行うとリスクが高い マサチューセッツ工科大学 ジェームズ・ストナー
・人間は「したこと」より「しなかったこと」を後悔する
・正直者とうそつきを見抜く方法は存在しない サウサプトン大学 リチャード・グラムゾウ
●教育について
・ほめられて育った子供は、失敗を極度に恐れるようになる コロンビア大学 クラウディア・ミューラー
・「がまんすること」を覚えた子供は挫折しても、立ち直れる スタンフォード大学 ウォルター・ミシェル
・子供をおどして注意すると、逆に禁じられた行為をしたがるようになる。 スタンフォード大学 ジョナサンフリードマン
●心理テスト
・筆跡鑑定による性格判断はまちがいだらけ ジェフリー・ディーン
・人間の性格は生まれた順番にある程度左右される カリフォルニア大学 フランクサロウェイ
・性格は指の長さにあらわれる セントラルランカシャー大学 ジョンマニング
「プラス思考でうまくいくか?」とか「イメージトレーニングでうまくいくか?」などは比較的良くある話題ですが、中には「そんな事研究してる人が世の中にいるのか?」と思うようなテーマもあったり。
例えば、
「指の長さで男らしさが分かる話」
一般的に、女性は人差し指と薬指が大体同じ長さのようです。しかし、男性は人差し指より少し薬指が短い人が多いのだとか。これに着目した進化心理学者のジョンマニングは調査研究をし、「人差し指と薬指の比率で男性らしさがわかる」という結論に達しました。
人差し指より薬指の長さの比率で、薬指が短いほど男性らしい性格みたいですよ。例えば、地図を見るとか、車を運転するとか、が得意な方が多いようですし、サッカーのプロリーグやハリウッド男優も薬指が人差し指と比較して短い方が多いとか。
これが、本当だったら手相をじっくり見る必要もないし、血液型を聞いたりする必要もなくて、結構便利かも。
成功哲学・自己啓発の本を読んでて良く出てくるテーマでは
1、段階を分けた着実な計画を立てる
2、成功した人物を思い浮かべてやる気を起こす
3、自分の目標について人に話す
4、失敗した場合に起きる嫌なことを考える
5、成功した場合に起きるいいことを考える
6、マイナスになることを頭から締め出す
7、目標に向かって前進できたら自分に褒美を出す
8、意志の力に頼る
9、進捗状況について記録をつける
10、成功者になった素晴らしい自分の姿を想像する。
これらの功罪について学術的見地から論じてますが、上の項目のうち半分は効果があり、半分はうーんといった感じみたいですね。どれが効果があるかは読んでみてのお楽しみ。
原書のタイトルが『59 Seconds: Think a Little, Change a Lot 』ですから、ほんの少しの時間で取り入れられる事にまとめられているのが嬉しい。
300ページ近い本ですが、最後の3ページで「成功するために1分でできる10のこと」にまとめられてました。
最初からそこだけ読んで実行しても、もちろん効果はあると思いますが、どうしてそういう事になるかという過程も非常に面白いです。
学術論文からの出典がほとんどですが、「財布を落としたときに、戻ってくる率を上げる方法」みたいな柔らかいものも随所にあるので、飽きずに一気に読めますね。
文体は、『影響力の武器』などよりも柔らかめなので、そちらが難しそうなので積読になってる人にもいいかも。
それにしても「健康だと思い込むと健康になる」とか、人間って結構適当なんですね。我が身を省みても、風邪の時寝てれば、それなりに病人っぽいし、普通にしてればそれなりに生活してるので分からないでもないですが。
あと、「男は巨乳に弱いのか?」を厳密に研究してる人もいるんですねー。別に研究しなくてもわかりそうなもんですが。
「女性も巨乳に弱いのか?」「性的期待ができない場合でも巨乳は効果があるか?」とか色々研究してるみたいですよ。難しい顔して学会で発表してるんだろうなあ。
その科学が成功を決める (単行本)リチャード・ワイズマン (著), 木村 博江 (翻訳)
実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする―「自己啓発」を実践している人は、何もしない人より幸福度が低いという衝撃のデータ
実験2 「面接マニュアル」は役立たずだった!―「ヘマをしたほうが好感度がアップする」という米デューク大学の大規模調査
実験3 イメージトレーニングは逆効果―ペンシルヴェニア大学研究室発「プラス思考が人生を暗くする!」
実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウ―オランダでの研究成果「暗示をかけるだけで人は創造的になれる」
実験5 婚活サイトに騙されるな―ノースウエスタン大学発「大勢にモテようとする女は敬遠される」
実験6 ストレス解消法のウソ―アイオワ州立大の研究では「カラオケは逆効果」
実験7 離婚の危機に瀕しているあなたに―「夫婦間の話し合いは効果なし」ワシントン大学調査が下した冷徹な事実
実験8 決断力の罠―「集団で行う意思決定はリスクが高い」というMITの実験結果
実験9 「ほめる教育」の落とし穴―コロンビア大学発「ほめられて育った子供は失敗を極度に恐れるようになる」
実験10 心理テストの虚と実―アテにならないこれだけの科学的根拠
「どうしたら幸福になれる?」「ビジネスで成功するには?」「婚活で意中の相手をゲットするには?」「どうやって相手を説得するか?」莫大な数の被験者を対象群・非対象群にわけ、徹底してデータを収集し、客観的に分析する。それが科学だ。幸福、成功、自己実現、決断、子どもの教育、さまざまな分野で、一流科学誌に発表された実験の数々をもとに本当に科学的な「自己啓発」のヒントを具体的にあたえる。
59 Seconds: Think a Little, Change a Lot (ペーパーバック)
Richard Wiseman (著)
運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則 (単行本)
リチャード ワイズマン (著), Richard Wiseman (原著), 矢羽野 薫 (翻訳)
The Luck Factor: The Scientific Study of the Lucky Mind (ペーパーバック)
Dr. Richard Wiseman (著)