「はじめての「独立・起業」なるほど成功ガイド」や「起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法」などのヒット作で知られる吉澤大先生の新刊。
(吉澤大先生の「大」は、お名前です。念のため)
ご縁があって一足お先に読ませていただきました。
昨今、色々な時間管理の本が出ていますが、本書の特徴はタイトルに「儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方」とあるように、経営者向けに特化した内容となっています。
思えば、サラリーマンの場合だと時間を管理して効率的に使ったとしても、勤務時間内に早上がりできるわけでもないですし、給料が急に上がるわけでもないですからね。逆に早く仕事が終わったら、自分と関係ない新しい仕事を押し付けられたりとか。そう考えるとあまり自分を痛めつけるような時間管理術も考えモノかもですね。長生き重要。
それはさておき、社長向けに特化した内容としての特徴は自由度と高いコスト意識にあります。
会社員の場合ですと、自分がどんな仕事をするかという事に選択の余地はほとんど無いわけですが、社長の時間管理の場合は「まず、なにに時間を使うか?」という事から始まります。
そして、その目標は「1時間あたりの稼ぎを大きくすること」です。
「人間金じゃない」とか「家族との時間も重要」とのご意見もあるかと思いますが、まずは先立つものがなくては話になりません。
年柄年中資金繰りの事ばかり考えていては、(本業の)仕事どころではないし、家族との時間もそわそわしたものになるでしょう。
さて、その時間当たりの稼ぎを大きくするための時間の使い方の優先順位として本書では
1、効率よく稼ぐビジネスモデル、さらにそれを実現するための戦略戦術を考える。
2、いかにして他人にやってもらう仕組みをつくるか。
3、人脈形成と情報・知識習得。
の時間を優先して作るように提唱しています。
目先の突発的な仕事に右往左往しがちな中小企業の社長ですと、これらの項目は意識して作っていかないと後回しになりそうですね。
1の、「効率よく稼ぐビジネスモデル」については粗利益、リピート率、必要運転資金、差別化、設備投資、等を勘案して考えるとあります。
これらを勘案した結果おすすめとしてズバリ!「○○が挙げられています!」とはいきません。それを考えるのが社長の仕事であり、腕の見せ所ですね。
2の「仕組みづくり」については、マニュアル化やアウトソーシングが挙げられていますが、中小企業の社長さんですと、この辺が苦手な方も多いでしょう。「俺の背中を見て盗め!」や「仕事は自分で覚えるもんだ!」的な方が多そうですからね。
著者は、当然その辺の事情もご存知ですから、このマニュアル化の方法も詳しく解説しています。
ホワイトボードに付箋をはり、ブレインストーミングをしながらまとめていく手法などが挙げられています。
3の「人脈形成と情報・知識習得」に関しては、他人の経験をお金で買うという感覚。
自分で試行錯誤する事も重要ですが、セミナーや本から効率よく学ぶことも重要です。
そして「有用性の高い書評ブログ・書評メルマガ」の項目で、なんと私のこのブログもご紹介いただいています。
ありがとうございます。
冒頭の「ご縁があって一足お先に読ませていただいた」のは、こういう事情によりでございます。
社長向けとなっていますが、仕事の自由度が高い方や裁量がかなり任されてる方にも参考になると思います。
合間のコラムの「結婚記念日にディナー5万円でプレゼント10万円の計15万円は特か損か」や、「アウトレットモールでいくら買い物すれば元が取れるか?」も面白い。
著者の吉澤先生が、独立当時には事務所に自分一人しかいなかったときに、それを弱みとせずに逆に「うちは専任性ですから、必ず私が直接担当します」と強みにした話に感動した。
このようなアイデアは日々目先の仕事に追われていては、なかなか出るものではない。このアイデアだけでも結構儲かったのではないかと思う。
なんったって原価0ですからね。
あと吉澤先生の事務所のHPを見ると
・税理士・中小企業診断士 吉澤税務会計事務所 埼玉県草加市 税理士報酬額も掲載
明朗会計です
・税理士報酬・月額顧問料の目安 税理士・中小企業診断士 吉澤大
契約できるかどうかわからない新規の顧客に営業に行ったり、問い合わせに応じてる時間を削減できると思いますし、安心感もありますね。
ということで
●働けど働けど我が暮し楽にならざりじっとてを見る by石川啄木
そんな思いをしてる経営者の方は本書で「時間効率」について考えてみてはいかがでしょうか?
儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方吉澤 大 (著)
【目次】
第1章 なぜ、社長の時給は下がりつづけるのか?
第2章 社長は昼にランチを食うな!
第3章 まず、効率よく稼ぐ手法を考案・選択する
第4章 できる社長は「他人にやってもらう」しくみ作りに時間をかける
第5章 「人脈形成」「情報・知識習得」も時間効率よくこなす
第6章 自由に動ける「社長ならでは」の時間管理術
はじめての「独立・起業」なるほど成功ガイド
●誰も教えてくれなかった「超実践的」アドバイスを紹介!|本書は、誰もが頭を悩ます「資金調達」や「必要な売上高の考 え方」「独立当初の営業法」といった問題はもちろん、「法人でいくか、それとも個人事業か?」「知人の出資受入れはどうなのか?」「面倒な経理事務の合理 化法」「従業員の採用」…など、避けては通れないポイントを網羅。
著者自身の経験に基づく、誰も教えてくれなかった「実践的」アドバイスを紹介する
起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法
●「おカネの心配をしないで済む」しくみのつくり方!
販売不振、放漫経営、過大投資、売掛金の焦げ付き…。理由はいくつかあるが、「お金が底をつく」ことで会社は潰れる。攻めることも大切だが、まずは潰れない体制をきちんと固めよう!
●必ず役立つヒントが見つかる、超実践的「サバイバル・バイブル」!
本書は「自由に使えるお金=手ガネ」を増やし、"潰れない会社"にするためのアドバイスを満載! 小さな会社だからこそできる、「稼ぐ力」「支出をコントロールする力」「お金を借りる力」の3つの力を強化するためのポイントを実践的な視点から紹介する。